6.「探偵小説のためのゴシック 火剋金」古野まほろ | 町に出ず、書を読もう。

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物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

6冊目
「探偵小説のためのゴシック 火剋金」
古野まほろ




巷間を騒がせる怪盗・黒蜜柑が実予に現れた。



予告状を出し警備体制を整えさせた状態で、それを嘲笑うかのように華麗に盗みを働く、というスタイルで警備にあたる警察を翻弄する黒蜜柑。



総指揮を執っていたあかねの兄・適は左遷の危機に晒される。しかし続けて送られてきた予告状に対する指揮を買って出て汚名返上を図る。



そして犯行予告日当日、現代科学の粋を集めた絶対侵入不可能な匣『パンドラ』を設置し、しかも外には県内から総動員した警備体制、更には勅任警視監のるいかと、るいかをライバル視する和泉までもが加わる完璧な布陣。



しかし、狙われたお宝は一瞬にして目の前から消えてしまう。



黒蜜柑はどうやって何重もの網を掻い潜り盗みを成功させることができたのか。



そして黒蜜柑の正体とは・・・




・・・・・・・・・・・・




相生シリーズ第五話、最終回です。



といってもほんの数ヵ月間の話なんですねよく考えたら。



いやぁ、綺麗に締めてあって満足しました。



るいかがあかねに対して言っていた『よりまし』という意味とか、所々で出てきた「天帝シリーズ」と共通するエピソードとか、いまひとつ謎だったあの人の正体とか、色々盛りだくさんで読みごたえ抜群でした。



作中で「相剋シリーズ」に続くとも書いてあったので、続きが楽しみです。