3.「スコッチ・ゲーム」西澤保彦 | 町に出ず、書を読もう。

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物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

3冊目
「スコッチ・ゲーム」
西澤保彦




タック・タカチシリーズ、ではあるんですが、舞台はタカチこと高瀬千帆の故郷。そして千帆が高校三年の冬の話。もちろんタックたち安槻大の面々と出会う前の話です。




高校の女子寮に帰ってきた千帆は、ルームメイトで同性の恋人・恵が、二人の住んでいた部屋で殺されたことを知る。



アリバイが証明できず、最近恵との間で口論が絶えなかったことが周囲の寮生に知られていた千帆は、有力な容疑者となってしまう。



容疑を晴らす為、そして死んだ恵の無念を晴らす為、犯人を探そうとする千帆。その過程で浮かんできた人物は教師の惟道だった。



二日後、再び寮内で起こる殺人。しかも殺されたのは千帆と恵の住んでいた部屋、つまり恵が殺された部屋の隣に住んでいた女生徒で、殺され方も恵とほとんど同じだった。



嫌疑が強まり警察にアリバイを聞かれた惟道だが、家の近くで『川にスコッチを捨てに行く酒臭い人物』を目撃し尾行していた、という奇妙な証言をする。
それも第一の事件、第二の事件の当日、ともにその人物を目撃したのだという。



千帆が受験で街を離れている間にもう一人犠牲者が出たのを最後に事件は終わり、それから二年。



いつものように酒宴を繰り広げるタカチたちいつもの四人。そこでタカチは酒席の座興のようなフリをしてクイズを出す。



『スコッチを捨てに行った人物の目的とは何でしょう』



その問いの答えを出したタック。そしてタカチは、タックを連れて故郷に帰り、犯人と対決することを決める・・・




・・・・・・・・・・・・



時系列でいえば一番前の話になるわけですね。



これまでの作品でも触れられていたタカチと父親の確執も語られてて興味深かったです。
まあ、思ってたより大した理由じゃなかったですが。



内容としては、途中突飛な展開もあったものの、動機が動機なんでしょうがないかな、という感想。



タカチが単独で行動してるというのが、これまでありそうで無かったので新鮮でした。



こういう話をもってきたということは、タックの方もこういう展開があったりするのかもしれないので、それは楽しみです。



というかひょっとしてもうあったりするのかな?
このシリーズは色んな出版社から出てるからちゃんと把握できてないんだよなぁ。