1冊目
「新撰組顛末記」
永倉新八
言わずと知れた新撰組二番隊組長・永倉新八。
維新後は小樽に移り住み、大正四年まで生きた永倉が、晩年(大正二年)に語った体験談を地元紙小樽新聞が掲載し、それを纏めたものがこの本です。
本人談なので、江戸での浪士組結成から甲陽鎮撫隊で永倉・原田が離脱するまでの話になりますね。
読もう読もうと思ってはいたもののなかなか読む機会がなく、ようやく読めた本で、結構楽しみにしていたのですが、
う~ん、ちょっと思ってたのと違う・・・。
一番違和感があったのが、全編三人称だったこと。
大正二年の永倉翁が語ったものを、新聞記者が書き留めて記事にしているから当たり前といえば当たり前なんですが、せっかく歴史の生き証人が話してくれてるんだから、出来るだけ口から出た言葉のまんま載せててほしかったです。
著者名伏せたら誰が書いてるのかすらよく分からないようなこの文体は何か残念。
内容の面からしても「ホントかなぁ」「主観入ってんじゃないの?」というのが多くて、だからこそ一人称で語らんことにはこちらに伝わって来ないんじゃないのかなぁ。
今更こんなことを言っても仕方がないとは思いますが、一言一句永倉翁の言葉と同じに書いてくれれば、全く同じ出来事だったとしてももうちょっと楽しく読めたかもしれないですねぇ・・・