61冊目
「まごころを、君に THANATOS」
汀こるもの
THANATOSシリーズ二冊目。
夏休み中の補習を終え、学校から帰宅しようと思っていたところ、自然科学部のクラスメイトたちに呼び止められてしまった立花真樹。
部室の水槽にいつの間にか氷が張り、中で飼っていたグッピーが全滅していたという事件の謎を解いてほしい、と依頼されたのだ。
全く気乗りがせず、早く帰りたがる真樹の携帯を取り上げ、兄の美樹に帰りが遅くなる旨を伝えるほどの強硬手段に出る部員たち。
そして魚と聞いて黙っているはずもない美樹は、学校にまで乗り込んで来る。
グッピー事件解決後、美樹は生物部を追い出された柳瀬と意気投合。生物部に一泡吹かせるため、自然科学部の文化祭展示に手を貸すことを申し出た。
そして文化祭当日、様子を見に来た美樹の目の前で生物部が展示をしていた教室が大爆発。
美樹は姿を消し、真樹は事情聴取を受ける羽目に…。
……………………
小学校中退の美樹は兎も角、真樹は現役高校生なのにも関わらず、まさか学校が舞台になるとは思いませんでした。
だってこの二人、言動は若いけど学生っぽさが無いもん。
クラスメイトと会話してても、何か同年代同士な感じがしない…。
もちろんそれを狙っての演出なんだろうけど。
今回も魚蘊蓄満載。今回は自然科学部と生物部の対立があったせいで、一般的な鑑賞魚の蘊蓄が多かったですね。
ちょっとややこしかったのが、クラスメイトたちが立花兄弟を名字で呼ぶので、
「立花(兄)が…」
という書き方になってたのがやや混乱しました。
何か美樹は兄貴感あんまりないし…。
でもこの本でしっかり認識しました。
最初コミカルで終盤になるにつれてシリアスになっていく展開は結構すきなので、次のも楽しみに読みたいです。