33~34.「偽物語」西尾維新 | 町に出ず、書を読もう。

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物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

33~34冊目
「偽物語」(上下巻)
西尾維新



上巻が出たのはだいぶ前ですが、下巻発売を期に再読したので二冊カウントで。


この「物語シリーズ」は、本編が「化物語」、前日譚が「傷物語」、そして後日譚にあたるのがこの「偽物語」となります。



ちなみに、「化物語」は読者を気にせず、書きたいように書いたという意味で「100%趣味で書いた」作品。この「偽物語」は、発表する予定のないまま書いたという意味で「200%趣味で書いた」作品、と自称されています。



なんてファンの方々には自明でしょうが。




近隣の中学校で、胡散臭いおまじないが流行し、しかもそれは誰かの仕組んだものらしい。



阿良々木火燐と阿良々木月火、人呼んでファイヤーシスターズの二人は調査を開始し、羽川翼の協力もあり、おまじないの首謀者・貝木泥舟の行方を突き止めた。



しかし、一人で乗り込んだ実戦担当・火燐は貝木の手によって蜂の怪異を移され、高熱で倒れてしまう。


一方、神原駿河の家の前で偶然貝木に会った兄・阿良々木暦。



そのあとで出会った恋人・戦場ヶ原ひたぎにその話をすると、問答無用で昏倒させられ、塾の廃ビルに監禁させられてしまう。



貝木は、戦場ヶ原が蟹の怪異に侵されている時、一家を詐欺にかけた五人のうち最初の一人で、戦場ヶ原の家庭を崩壊させた張本人だった。



貝木と関わりを持って欲しくない。私がすべてケリをつけるからそれまでここにいて欲しい、と無法な監禁を正当化する戦場ヶ原だったが、その時暦の携帯に着信が入る。それは月火からのSOSだった。



妹が関わった以上、もう無関係ではないと、共闘を申し出る暦。戦場ヶ原も最終的に同意し、二人で貝木に立ち向かうことになる。




というのが上巻の内容。下巻はまた違う話なんですが、微妙に話がつながるので割愛します。



それにしても、読んでてこんだけ楽しい本もなかなかないですわ。



だいたい毎回(化物語等でも)、本編のストーリーが進む前に遊びパート(掛け合いパート)があるんですが、そこが楽し過ぎて本編に入って欲しくないくらい。



今作では遊びパートがかなり長かったので(しかもキャラ総出演で)かなり満足だったのですが、それでもずっと読んでたいくらいでした。



あと、火燐の戦闘能力の高さとか、下巻に出てくるキャラクターの使う「例外の方が多い規則(アンリミテッドルールブック)」という技(術?)とか、何か戯言シリーズを見ているようで少々懐かしくもありました。



これで物語シリーズ完結と思いきや、来年予定で猫物語・傾物語と続くようでとても楽しみです。