…を観てきたわけではなく、
まして、もちろん踊ってきたわけでもなく
読んだ感想です。
『ワルツ』著者は花村萬月さん。
上・中・下の大作です。

$Sunny’s So Yoga

小説を中心とした読書について少し。
どちらかといえば趣味が少ない私にとって
読書は小さい頃から続いている数少ない趣味のひとつ。
持論なんですけど、読書もけっこう体力…というか気力が必要な気がします。
その時の気分によって読みたい本のジャンルは大きく変わります。
基本的にそんなに難しい本は読まないけどね。
めいっぱいナーバスになってる時って、まったく本を読む気にはなれず
その時期を過ぎた時は、
ほぼ必ずハッピーエンドが約束されてるタイプの作家さんを選びます。
重松清さんとか浅田次郎さんとかね。
で、さらにその時期を過ぎた時ってもう少し弾みをつけたい時でもあるんで
今野敏さんとか大沢在昌さん、なんとなくの誉田哲也さんや石田衣良さんとか。
いつでもホッとできるタイプの作家さんとしては
椎名誠さんとか中場利一さんとか好きです。
関係ないけど、ひと頃よく読んでたけどあまり読まなくなった作家さんもいるなぁ。
田口ランディさんや村上龍さんとか。
で、コンディションのいい時じゃないと読み進められないのが
馳星周さんや白石一文さん、そして花村萬月さんとか。
共通するのは、グイグイくる感じがあって、
ドンヨリしてるときだとやられてしまう感じです。

それはさておき、今回の『ワルツ』。
舞台は第2次世界大戦直後の東京が舞台。
また話はそれるけど、最近読みにくいなぁって思うのが
10~20年ぐらい前の小説。
その当時の日本が舞台になってると
変なタイムラグがあってうまく乗れないんだよね。
たとえばPHSがなんとかとか、ファッションについての描写があったりするとね。
そういう点では、この作品は戦後すぐの話しだから
変なギャップがなくてよかったなぁ。
で、話しを戻して『ワルツ』のこと。
終戦直後の混沌とした時代のヤクザが主人公。
国も個人もアイデンティティを見失いかけ
方向性や役割を模索、構築してた時期。
誰しもがメッチャしんどい時代だったんだろうな。
ヤクザさん同士の会話に、
バガヴァッド・ギーターの中の
クリシュナとアルジュナ王子の対話にそっくりな部分がある。
別な部分ではシヴァ神の事が出てきたりもする。
ヨガと任侠の世界、ほんの少~し、リンクするのかね。
ふと、花村萬月さんがヨガやってたり…は、しないだろうな。

花村作品としては、
どちらかと言えば暴力シーンやエロいシーンもやや少なめ。
だけど、生と死、それに愛というテーマが色濃く出てるような気がする作品。
長編の作品だし、エネルギッシュな本だから
読むのに少しばかり気合いも必要だけど
かなり面白い作品のように思えます。
GWあたりに、いかがですか?