球場が広くなったこともあり、チーム防御率はリーグ4位の3.59と、前年の同5位で3.78から改善された。また与四球数341はブラウン政権では初めてリーグ最少となり、就任4年目にしてストライク先行のブラウンイズムが浸透してきたことも窺える。先発陣、救援陣と分けて09年のカープ投手陣を振り返っていこう。




 開幕前、投手陣最大の懸案は先発陣の経験の浅さだった。開幕ローテを担った6人の投手のうち、前田健、篠田、斉藤の3人が規定投球回に到達した経験がない投手。3人共08年の後半に鮮烈な活躍を見せたが、相手の研究も進む今年どこまで通用するか。未知数の投手に開幕ローテの半分を任せなければいけないところに、苦しい台所事情が垣間見えた。


 しかしこの心配は良い形で裏切られた。前田健は規定投球回を突破し、大きく負け越したものの防御率は3点台で、高いQS率を考えても先発投手としては十分な働きを見せた。斉藤はスタミナ不足と終盤の息切れがたたり規定投球回には惜しくも届かなかったが、前田健を上回る9勝をマークした。篠田は怪我による長期離脱こそあったものの、プロ初完封を記録、終盤には中継ぎで好投を見せ、その実力が十分1軍レベルであることを証明した。


 ルイス、大竹のダブルエースはきっちり二ケタ勝利をマーク。長谷川は相変わらずあてにならなかったものの、終盤には今井という楽しみな若手も出てきて、総じて先発陣は充実期に入ったといえる。




 一方中継ぎ陣はどうだろうか。開幕前、カープのブルペン陣は12球団屈指の充実度と評価されていた。しかし、これは残念ながら過信だったと言わざるをえない。確かに横山、梅津、シュルツ、永川でつなぐ勝ちパターンの継投は強力だ。しかし、ビハインド時や大量点差の展開で登板し、きっちり試合を作れる投手がいなかった。その点が今年の投手陣の最大の誤算といえよう。


 本来なら勝ちパターンに順ずる役割を林、上野、ドーマンあたりで担わなければいけなかったのだが、いざふたを開けてみると上野は絶不調、ドーマンは高かった前評判に反して使い物にならない。ファームから上がってくる森、大島、コズロースキーらは明らかに力不足。こうなると勝ちパターンの投手を酷使せざるをえなくなる。その結果梅津は故障離脱、横山と永川は安定感を欠き、結局シーズンを通じて安定していたのはシュルツ一人、という状況になった。


 開幕前には中継ぎ陣にもローテーション制を導入することを示唆していたブラウン監督だったが、先発陣の一律100球交代制を敷いたこと、前述の救援陣の層の薄さから中継ぎローテ構想は完全に崩れた。さらに言えば、肩に爆弾を抱える横山を69試合も投げさせた起用は危険極まりないものだった。幸い今年は大きな怪我がなかったものの、中継ぎ陣への配慮のなさが目立ったシーズンとなった。




またオフの補強はどうだったろうか。開幕前にカープが補強した投手はドーマン、中田、小松、松田の4人。そのうち即戦力と認識されるのは新外国人のドーマンと大卒の小松。小松は中継ぎで打ち込まれる場面も目立ったが、先発、中継ぎ兼任で5勝は新人としては及第点だろう。一方ドーマンは全く戦力にならず、ブラウアーを手放した判断は結果的に間違いとなった。




 若手、中堅層の実力ある投手が揃い、あとはその戦力を首脳陣とフロントがどう勝利に結び付けていくか、だろう。

 

 温故知新。新監督を迎えて盛り上がるのは結構なことだが、昨年の敗因を振り返らずに来年の展望は開けない。


 ということで、新球場元年となった2009年を投手、野手別に分けて振り返ってみる。



 



 でも今日は眠いんで寝る。また明日。