心の働きを説く唯識説

 

 「唯識思想」については№8658を参照ください。

 

 

 更に、

 

 法相宗では人の認識の仕方に違いが生じる仕組みを八つの意識、

 

 すなわち八識(はっしき)で論じている。

 

 八識は六つの表層意識と二つの深層意識に分けられる。

 

 まず表層意識とは、

 

 見る(眼識・げんしき)・聞く(耳識・じしき)・嗅ぐ(鼻識・びしき)・味わう(舌識・ぜつしき)・触れる(身識・しんしき)という、

 

 五官による感覚を心の中で認識する(意識)精神作用のことである。

 

 

 次に深層意識とは、

 

 末那識(みなしき)と阿頼耶識(あらやしき)の精神作用のことで、

 

 末那識は無意識的な自己保持の精神作用、

 

 つまり煩悩の源を、

 

 阿頼耶識は無限の過去からの無限の活動が情報として蓄積されてる器、

 

 つまりあらゆるものを納める蔵を意味する。

 

 修行によって心を浄化しようとすれば、

 

 最も深い心の働きである阿頼耶識にまで心の智慧を浸透させる必要があるというわけだ。

 

 法相宗では六識だけではなく、

 

 末那識と阿頼耶識を加えた八識で心をとらえると考える。

 

 末那識は煩悩というよりも人間の生きる活力で、

 

 阿頼耶識は人間そのもので、

 

 如何に末那識をバランスよく使って生きるかということだろう。

 

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 私の愛する私の全てであり私だけの掛け替えのないえむえぬ様に。