ギータ
第3章「カルマヨーガ」
(三七)
物質自然(プラクリティ)のラジャス[1] から
欲望が生じ 憤怒が生ずる
これこそ物質界の住者にとって大敵である
(三八)
煙にまかれた炎のように
塵でくもった鏡のように
子宮に包まれた胎児のように
生物は異なった程度の欲望で覆われている
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[1]
物質の三性質の一つサットワ(善徳、調和、無欲性) ラジャス(激情、欲求、熱性、積極性) タマス(暗愚、無知、消極性)
誰しも1度は情熱的に何かをしたことがあると思います。
仕事であったり、スポーツ、恋愛、などなど。
突き詰めれば突き詰める程、楽しくなり、
そのうち壁にぶつかり辛くなってきます。
辛さを乗り越えてまた楽しくなり・・・繰り返しです。
何かを得て→足りないことを知り→更にレベルの高い何かを得て→足りないことを知り・・・。
そのうちのどこかで爆発して怒り出すこともあるでしょう。
社会的には必要な要素とされる「向上心を持つ」というものは、
このサイクルの中に居続けることではないでしょうか?
楽しいですか?
ラジャスというグナのもつ欲や怒りは人の中にあります。
それがあるからといって罪悪感を感じたり自分を卑下する必要はありません。
それらは、私達自身でないからです。
私達、すべての人間の本質はその内側にいる神(アートマン)です。
私達すなわちアートマンは、相手にわかってほしい、相手をわかりたい、
わかり合いたいと願っています。
それが思いやりであり、愛情です。
相手を思いやれば、愛することができれば、私達の行動は自然と事態を解決します。
そこに解決すべき事態すらないことを教えてくれます。
そして知ります。私達は皆生まれながらに完全な知性と美しさを持っていることを。
愛さなければいけないと思う必要はありません。
自然にそれができるようにヨガをしましょう。
吸う息と吐く息が体の中で混ざり合うことで、
体の内側に力強いエネルギーがあることがわかります。
吸う息と吐く息、陰と陽、男と女、社会と個人、光と闇、善と悪。
寂しくも2つに別れているものを1つにすることで、
そのエネルギーを生まれます。
それが愛情です。
あとはそれがあふれ出すのを楽しみながら眺めるだけです。
ラジャス、情熱に動かされる自分を知り、認めた上で、
愛情によって動かされる喜びを知りましょう。
yohsuke