トラックの運転をして生活を立てている人は全米におよそ350万人います。この人たちが運転しているトラックを自動化していくと、雇っている側にとっては160ビリオンドルの経費削減になります。
小売業、オフィス事務職、レストランなど食品サービス関連、トラックの運転、製造業は、アメリカで最も多くの人が働いているトップ5の職業です。
50ある州のうち29の州でトラックドライバーは従事している人の数が一番多い職業なのです。
全米のトラックドライバーの平均年齢は49歳、平均学歴は高卒。平均収入は年間45,000 ドル(およそ495万円)。圧倒的多数が男性です。
長距離を長時間座ったまま運転し続けるドライバーには生活が不規則になりがちで糖尿病や肥満、高血圧、うつなど心身の健康を害してしまう人も多くいます。
トラックの運転中の死亡事故も多いので、ロボット化は人命を救うことにもなります。人は疲れたり居眠りしたり、休憩が必要です。
自動トラックになるとトラックは走り続けることができるので輸送時間を短縮したり”能率”をあげることができます。
人が運転するトラックが走っているということは、トラックのルートに沿って休憩用の宿泊施設や食事するダイナー、小売店などがあるので、ハイウェイの周りにそういうサービスの集まった小さな集落もあります。
logistic と言われる原材料調達・生産・販売までの過程で発生する物流がスムーズに運ぶように管理・合理化する人たちも大勢います。トラック業界が供給している他の仕事が多数あり、それに従事している人が大勢います。
これから5〜10年の間にそのうち80%は自動化されていくと予測されています。
職を失った人たちが新しいスキルを身につけるために、政府が提供しているトレーニングは成功率がほとんどゼロに近いという統計が出ています。
ドライバーの職を失った人の半分は disability benefit という就業不能[所得補償]給付が受けられるように申請をします。ほとんどの場合、また仕事に就くことはありません。
電子機器で監視されることに反対してスローロール (slow-roll) と言われるトラックドライバーのストライクが2017年以来各地で起きています。ハイウェイを大型トラックが列になってゆっくり走行するストライクです。
この電子機器の導入によって、天候が悪いのに無理をしたり、安全になるよりもむしろドライバーの命が脅かされるというのがドライバーたちの言い分です。
国土が広く大型トラックでの長距離輸送に多くの物流を頼っているアメリカにとってトラック業界の変身は大きな問題です。
アマゾンも無人トラックの開発を進めています。
マルセデスも、ヴォルボも、グーグルも、すでに無人トラックを開発しています。
レストランやグローサリー、小売店の食べ物の配達 FeDex 郵便物などの配達、人々がオンラインで注文するものもすべて、トラック輸送に頼っています。それらの全ての業界を巻き込んで静かに確実にロボット化される準備が着々と進んでいるのです。
今は人間のドライバーが乗って、安全性を確かめている段階ですが、これから10年くらいの間に半数以上のトラックドライバーが職を失うと予測されています。
Meet the Hello Goodness #Snackbot: The coolest study-break buddy on campus. See how students are getting their favorites from @LAYS, @Starbucks, @bublywater and more. pic.twitter.com/TvqkYTd0fW
— PepsiCo (@PepsiCo) January 3, 2019
小回りの効くこんなロボットたちが街を走り回る日は思っているよりずっと早くに来そうです。日本は道が狭いし混み入っているからと安心してはいられません。
ニューヨークではこういう配達の仕事ならば英語が片言でもできるのでこれまでなら世界中の国々から移民として来たばかりの人がよくやっている仕事です。仕事がなくなる恐怖はまだまだ様々な業種に広がっていきそうです。
私がニューヨークへ来た32年前には自転車に乗ったメッセンジャーがまだマンハッタンの車の間をぬって巧みに走っていました。背中に書類をしょってオフィスからオフィスへ届けていたのです。メールのなかった頃のことです。
時代と共に消えていく仕事はいつの世にも必ずあります。
日本で、”正社員”になりにくい”派遣” ”契約”なら仕事があるという状態になってからかなりの年月が経ったと思います。アメリカでも2005年から2015年の間に新たにつくられた仕事の95%は”契約”です。
この期間、富の集中がますます進み、貧富の差は広がりました。株式市場を見ると、トップ20%の富裕層が92%の株を持っています。貧しい方から80%が持っている株は残りの8%。
だから今ベーシックインカムのような仕組みを何か作って、すべての人たちが生きていくための基本的なニーズだけは満たせるようにしないといけないし、それが必然になるだろうという議論がますます盛んになってきています。
山本太郎さんが泣きながら、「人を部品のようにしか見ていない」と街宣で言っていました。
政治が人々をお荷物としか見ていないのは、巨大企業のトップだけを見て政治をしているからです。多くの企業のトップにとって、今働く人々はロボットへの以降期間中のつなぎでしかないのでしょう。
すでにつなぎとしてしか考えていないのですから、悪徳政権と悪徳企業には人を人として見る目も人に投資して新しい未来を開こうという気もちもありません。
私たちには想像力ある、新しい未来を切り拓く、新しいタイプの本当のリーダーが必要です。
「 ロボットに仕事取られちゃった 」となげく人々が、飢えたり住むところを失うのではなく、「 やった〜! ロボットがやってくれる! 」と喜べる社会。どうやって作っていったらいいと思いますか?
AI・ロボットや自動化のおかげでできた時間・自由になった時間で何をしようかと、みんながうきうきと考えられるような社会のあり方が必ずあるはずです。今こそひとりひとりが想像力と創造力をフルに活用する時です。
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