とあるオンラインのヨガ講座を受けていたとき。接続の不具合で、講師が何度も「失礼しました」と謝るのですが、全然心こもってないなぁ〜と気になっていたのですが、語感感性アナリストでもある黒川伊保子さんのご本を読み直していて合点!
〜以下引用〜
「しつれい(失礼)」は、かなり失礼な語感だということをご存じだろうか?強く歯を擦る「し」「つ」の後に、冷たい「れ」、尖った「い」が続く。相手に、強い威嚇を感じさせることばなのだ。
…もちろん、威嚇のためになら大いに使っていただきたいのだが、無意識のうちに使ってしまうのは、なんとも惜しい気がする。
たとえば、納得していないことであやまるとき、人は無意識のうちに「失礼しました」と言ってしまうものらしい。
…プロとして、あやまる覚悟を決めたのなら、「申し訳ありません」か「すみません」を使うこと。威嚇の呪文は、威嚇したいときだけ、しっかりと使おう。
『いい男は「や行」でねぎらう いい女は「は行」で癒す』宝島社新書より
最近では「すみません」の使用もうるさい世の中になっているので、こちらも気をつけなければかもですが(ご本は2012年発行)。
しかし、心がこもっていたり、抑揚や人柄、タイミングなどによって、この「失礼しました」が威嚇に感じない場面も発見しました。
例えば、昨日のラグビー日本代表XV(日本代表候補) vsマオリオールブラックス(マオリの血を引くニュージーランド代表)戦のとき。実況の谷口廣明さんが選手名を間違えた後の「失礼しました」は、全く嫌な感じではなかったのです。谷口さんがどんな試合でも、事前に出場選手の名前を覚えて実況に備える、というプロとしての仕事術を知っているからなおさらかもしれませんね。
※現地観戦のラガール特派員より。私はお家居酒屋しながらJ SPORTS観戦しました
※解説の藤島大さんが30年ほど前、ニュージーランドでマオリオールブラックスのジャージ(ユニフォーム)を買ったら、レジの人が「日本人はみんなオールブラックスのジャージ買っていくのに…」と泣いて喜んだというエピソードを紹介してくれ、笑い泣きでした。
いずれにせよ、「失礼しました」の使い方、気をつけたいと思います!