同居人のヴィンテージのノブさんが家を出て行きました。
新たな再出発で、
引っ越しをしたのです。
帰ってくると、
家の中からノブさんの持ち物が消えていました。
ノブさんの部屋の明かりをつけると、
今までとは違う光景が広がっていました。
この部屋を見て、
あぁ、本当に出て行ったんだな・・・
と実感がわきました。
ノブさんとの出会いは、
僕が１９歳の時。
フリーでラックチャックとして、
横浜の舞台で会ったのが最初だったでしょうか。
正直、初めて会った時、
僕はヴィンテージが大嫌いでした。
性格や仕草、あらゆるもの全てが、
それまで僕が生きてきた人生とはかみあわず、
ライブで一緒になるのが嫌だくらいに思っていました。
それからしばらくして、
ライブでヴィンテージと一緒になる事がほぼなくなったのですが、
ラックチャックがシアターＤの事務所に所属する事になって１ヶ月後、
ヴィンテージが同じ事務所に入ってきたのです。
事務所としてはほぼ同期でしたが、
僕は嫌で仕方がありませんでした。
しかし、何がきっかけだったかは覚えていないですが、
それから半年くらいすると、
ヴィンテージとラックチャックは親友になっていました。
不思議なものですね。
あんなに嫌いだったのに、
１つきっかけがあると、
嫌いだった反動が余計加速させてなのか、
急速に仲良くなるんですね。
そこからは４人でよく遊びました。
そしてその中でも、
やはりツッコミはツッコミ、
ボケはボケと、になるのでしょう。
僕はノブさんと行動を供にするようになり、
２１歳の時には少なくても週３、
多いと週６くらいで一緒にいたのではないでしょうか。
ノブさんからの電話で起きて、
「どうしました？」
と聞いたら、
「今、お前の家の前に着くで」
みたいな関係でしたからね。
それから色々あって、
お互いの家がなくなったのをきっかけに（ここはまたの機会にでも）、
一緒に住み始めました。
一緒に住む前からバイト先も一緒だったのもあり、
同じ時間に起きて、
２人で朝食を食べ、
バイトに行き、
休憩時間を過ごし、
帰り道にスーパーに寄り、
夕食を食べ、
ゲームをして、
力尽きたら寝て、
一緒のライブに行き、
バイトをさぼり、
とにかくずっと一緒に過ごしてきました。
一緒に住むようになり、
８年間ですよ。
でもケンカした事は一度もないんです。
これって、すごくないですか？
互いの青春時代を全部知っている、
互いに何か良い仕事が決まれば、
互いに応援もするし、
でも、悔しくもあり、
そんな関係で１１年やってきました。
２４歳の時、
僕がラックチャックを解散してお笑いをやめる時にも、
誰よりも悲しがってくれました。
そして、僕が復帰して５年、
夜ふかしの会としてキングオブコントの決勝に行った時も、
誰よりも喜んでくれました。
（辻本さんもですけどね）
決勝が決まった夜、
家に帰って
「良かったな！」
の言葉を聞いた時に、
ものすごく涙が出ました。
２１歳くらいから、
ずっと一緒にいた、
一緒にいて当たり前だった、
『お前は弟みたいなもんだからな』
と言っていた、
そのノブさんがいない。
２年前の家の更新の際、
「これで更新を最後にしよう。
２年後、今よりも良い環境になってお互いを見送れるようにがんばろう」
と言われていた２年前。
この日が来るとは知っていましたが、
それでもやっぱり、
一緒にいて当たり前の人だった人がいないというのは、
とても寂しいし、違和感があります。
これからは家は違いますが、
互いにまた仕事で会えるように、
互いにまた喜びあえる事が増えるように、
がんばっていきたいです。
本当に。
部屋に残されていたＣＤがあったので、
なんとなく見ていたら懐かしいＣＤがいっぱいありました。
これはあの時に聞いてた、
これはあの時に聞いてた、
懐かしみながらＣＤを聞いていたら、
ウルフルズの『すっとばす』に、
『裏スマ』のＣＤが入っていました。
なんでだよ！
ってか、ＳＭＡＰのＣＤ持ってたのかよ！
ウルフルズの
『泣きたくないのに』
は改めて名曲ですね。