このブログで何度か書いていると思いますが、


よく博多天神という名前のラーメン屋を利用しています。



あまり時間がないという時にちょうど良くて。



注文したら即出てくるという速さ、


そして500円というワンコインで食べれる安さ。


加えて、テーブルの上の、


辛子高菜と紅しょうが、ゴマ、ニンニクが使い放題で、


味が自分好みに変えていける点。




そして更に、この天神。


替え玉が一玉無料なんです。



で、この替え玉。



こちらも以前に書きましたが、


店頭に替え玉無料券というものが設置されておりまして、


替え玉をする際、


その無料券を差し出すのですよ。



この作業が僕はめちゃくちゃ無駄だと思っておりまして。



『その場で使える無料券』


が店頭に置いてあるって絶対意味ないじゃないですか。



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これですね。



一時的なキャンペーンならわかりますが、


基本姿勢が一玉無料な訳ですから。



だったら、もう最初から替え玉一玉無料でいいじゃないかと。



なんだよ、この紙。


もっと森林とか大事にした方がいいよ。


そのために切られている木があるのですよ、と。


そしてその無駄な紙を入れるプラスチックのカゴを作るために、


消費される石油があるのですよ、と。



もはや地球目線に立って、


替え玉無料券を非難するレベルまできていた僕は、


一度仕掛けてみる事にしました。



替え玉を頼んで食べ終わり、


角刈りの店員さんに会計の際に言ってみました。



「あ、替え玉無料券、取り忘れてました」



すると角刈りさんは



「あ、大丈夫ですよ。ラーメン、替え玉一玉ですね」



・・・いや、良いのかよ!



じゃあ、今までの替え玉無料券の手間なんだったんだ。





そして、また少しして天神を訪れた際、


前回で味をしめた僕は同じ手口を使い、


坊主の店員さんに言いました。



「あ、替え玉無料券、取り忘れてました」



しかし、この坊主さんは言いました。



「それでは替え玉の料金がかかります」



マジか・・・!!



角刈りさんは許容してくれたのに・・・



感情を押し殺しながら、


その距離、わずか3メートルを往復し、


無料券を手渡すと、


坊主さんは



「これで替え玉が無料になります」



と言い放ちました。





やっぱり無駄な手間があるとしか思えないんですよ。





『無駄な物に囲まれて暮らすのも幸せと知った』



もう恋なんてしないの中で、


こう歌う槇原敬之にやんわり共感していた僕ですが、


この無駄さは、さすがに無駄すぎる。




なんなんだよ、マッキ―。



マッキ―が無駄を肯定するような優しい歌を歌うから、


天神がつけあがって無料券システムとか作ったんじゃないのか。


いい加減にしてくれよ、マッキ―。



飛び火してマッキ―にすら憤りを感じ始めていました。





しかし、昨日。



やや久しぶりに博多天神に訪れてみると、


店頭に驚くべき張り紙がしてありました。





『無料券廃止になりました』





・・・うぉぉぉ!!



長い長い僕と天神の冷戦に、


ようやく終止符が打たれたのです。



ちゃんと替え玉一玉無料制度は残しつつ。





店員さんもお客さんも、


お互い得のなかった一手間が省けた、


美しい日。



喜びに包まれながら麺をすすり、


僕は注文しました。



「替え玉、固めで」



すると、その注文を承ってくれたのは、


角刈りさんでした。



ここで僕は、思いました。



おそらく、この角刈りさんが、


無料券制度廃止に一役買ってくれたのではないか。



無料券を持っていなかった僕に


「あ、大丈夫ですよ」


と言ってくれた角刈りさんも、


おそらく、このシステムに疑問を持っていたのではないでしょうか。




スタッフミーティングで無料券廃止を提案した角刈りさん。


非難の声。飛び交う怒号。


無料券制度廃止によって何がもたらされるのか、


慣れないパソコンで資料を作成。


隙を見て、勝手に資料を書き換えるスタッフの妨害。


知らされなかったスタッフ飲み会。


変わってくれなくなったシフト。


迫りくる刺客。



様々な苦難を乗り越えて、


ようやく廃止させた替え玉無料券・・・



勝手なストーリーが頭の中で駆け巡り、


勝手に角刈りさんに少し親近感を覚えた僕。



感謝の意味を込めて、


初めて二玉目の替え玉を頂いたのでした。



おめでとう、角刈りさん。


違ったら、すいません。


多分違うだろうから、多分すいません。