風邪も順調に良くなってる


今回、ずっと怖い怖いって思い続けた


もしこれが、内臓が炎症してて悪いことになってたら


どこも悪くないのに、そんな気持ちがずっとあった


どれだけ周りに、あるいは自分で


大丈夫


そう言われても、ずっとゾワゾワしてた


頭に浮かぶ光景


暗い部屋で身体をくの字に曲げながら布団に横たわって


痛みや苦しみに耐える自分が見える


誰にも助けてもらえず、じっと我慢して耐える自分が見える


変な光景だ


実家にいるのだから母もいる


そもそもそんなに苦しいなら病院行くか救急呼べば良い


でも、この光景の私はいつもひとり


ひとりで痛みに耐え続けてる


そこで思った


これは「今の」私じゃない


あの頃の私の、心の風景なんだと


あの時


あの、ひとりで苦しみに耐えていた鬱病のころ


だから布団のシーツがあの時の色なんだ


今の部屋とは違う間取りなんだ



鬱病になった私は、ずっとひとりで怖さや痛み―


痛み、というか不安と戦ってた


戦ったというよりは、耐えてた


誰も助けてくれない、助けを呼べない


自分の弱いところを、カッコ悪いところを


見せることができない


じっと夜が過ぎるのを耐えてた


朝が来る恐怖に怯えながら



ああ


あの時、本当はずっと怖かったんだな


やっと気付いてくれたな


そう思った


あの頃が怖かったことを、私は無かったことにしてた


カウンセラーになったから


「あれも今ではいい経験でしたよ」って


あれがどれだけ怖い日々だったか、苦しかったか


忘れていた、忘れようとしていた


なかったことにしようとしていた



今年は怖いと感じることが多い


正月の地震も、コウモリが部屋に入ったときも、今回の風邪も



きっと「今の出来事」ではない


私の中に置き去りにしてきた過去の怖さ


「そっか、怖かったんだな」って、気づいて欲しい私の過去


その子達をひとりずつ助けるというか、気づくための怖さ


だから、今の私のなにかにアプローチしても、怖さはなくならない


怖さをなくしてほしいのではなく、怖かったことを許してほしいんだ



そう、鬱病の頃のこと


私は「怖いと思うこと」すら、許してなかった


会社に行くこと、電車に乗ること、人に会うこと、死にたいと思うこと、将来のこと


不安に思うことも、怖いよって泣くことも


私は許してなかった


あの頃一番使ってた言葉は「大丈夫です」だったもんなぁ


全然大丈夫じゃなかったけど、臆病と思われるのが怖くて


怖いって思ってることを知られるのが怖くて


怖かったよな、辛かったよね


この感情担当の小さな子が、自分に気づいて欲しいんだ


でも私がしてることは、彼らに「いなくなれ!」だったわけで


だから、気づいてもらうために伝えてくる



鬱病、辛かっんだ


だって誰がわかってくれる?


誰がだめな自分を許してくれる?


どうせ腹の中では、私を蔑んでいるくせに


誰よりも蔑んでいる私だからこそ、そう思ってしまう



もしこのまま良くならないと、どうすれば良いんだろう


今回の風邪でよく思ったことだけど、それはきっとあの時思ったこと


将来に絶望したあの頃の気持ち


もう全部嫌になって、自ら命を絶とうと思ったこと


その時の苦しみや絶望感を、私は存在を許してなかった


だから、この子達に出会うために、私は色んな怖いを感じるんだろう


過去の精算、とは言わないけど


あの頃孤独だった自分に、自分の感情たちに気付くために


心細かったな


心細かった、誰かにそばにいてほしかった


大丈夫って、手を握りながら優しく言ってほしかった


そう思うことも許してなかったなぁ