たまにネットで言われるのが、「ひきこもりは毎日が夏休み」という言葉。
私もうつ病や引きこもり、そんな経験があるけど、確かに休みは休み。
仕事に行く必要もなく、療養と言ってもケガとかみたいにリハビリがあるわけじゃない。
毎日、好きなことを好きな時にし放題!
昼夜逆転、昼まで寝ちゃうぞ!
ゲームもテレビもネットもやり放題!
まぁ確かにそうではあるけど、そんなに楽しいものでもないよって話をしたい。
そうだな、一言で言えば「楽しむことをずっと罰し続ける声が聞こえる夏休み」という感じ。
「笑うことを、楽しむことを、生きることを責める声が聞こえ続ける長期休暇」って感じ。
たとえ話をしてみよう。
あなたの家族や親友、恋人、子供…
大事な人が大病を患いずっと入院してる。
毎日、辛く苦しい治療を頑張ってる。
あなたは毎日お見舞いに行って励ましている。
しかし、仕事にお見舞いにと、あなた自身も精神的にきつくなってきた。
そんなあなたにお医者さんや周りの人が言う。
「あなたが倒れては元も子もない、少しリフレッシュしたほうが良いですよ」と。
あまり気は進まないが、確かに体調も良くない。
少しリフレッシュをしようかと考える。
野球の試合を見に行っても良いし、服を買いに行っても良い。
ドライブに行ったり、家でゲームをしたりドラマを見たりしても良い。
心の元気を取り戻すため、そんなリフレッシュをしよう。
そんなあなたを見て、近所の人や周りの人がこう言った。
「あなたの大事な人、病気で大変なんでしょ?なのにあなたは遊びに行ってたの?家でテレビ見てたの?」
「あの人が苦しんでいる間、あなたはテレビ見て笑ってたの?新しい服を買って喜んでたの?薄情な奴だ」
「なんで楽しんでるの?なんで笑ってるの?あの人じゃなくて、あなたが病気で死ねばよかったのに」
さぁ、あなたはこのリフレッシュ期間を楽しく過ごせるだろうか?
毎日が日曜日!と楽しい気持ちだろうか?
そんな声が周りからではなく、自分の頭の中で響き続けてたのが、私のうつ病の療養中であり、何もせずに過ごしていた日々だった。
社会の役に立たない自分が、何を楽しそうにしている?
楽しむな、笑うな、休むな、眠るな、生きるな。
何をしていても、そんな声がずっと頭に響く。
うつ病になる前からこうだった。
仕事がうまくいかなかったときに、休みの日や自分の時間を楽しもうと思っても、脳内には「楽しむな笑うな休むな」の声が聞こえる。
自分を責め続ける、生きていることを許さない声が聞こえる。
規則正しい生活をして、鬱病を治しましょうと言われる。
でも夜眠れない。
眠るってリラックスしないと無理じゃないか。
でも「何休もうとしてるんだ、何もできていないくせに」って責め続けられるんだ、聴きたくなくても聞こえるんだ。
そりゃ眠れない。
そしてこう思う。
「夜寝て朝起きる、そんなことも自分はできないのか、ホントにゴミだな」
何とかその声から逃げようとスマホ触ったりゲームをしたら、「良いな引きこもりは毎日が夏休みで」と言われる。
周りが言わずとも、自分がそう責め続ける。
こんな感じだったな、私のうつ病の療養してるときは。
そんな中、何とか「周りの役に立てることを」と思って、家の掃除とかをしてた。
そんな私をかつて友人だった人は「ニートじゃん」と言った。
怠惰だと、私はそう言われていると受け止めた。
相手がどんなつもりで言ったかは知らないが。
まぁ怠惰だと自分自身で自分を責めてたので、彼を責めるのはお門違いではあるが。
それはそれとしてムカつくが。
そんな声が聞こえ続けてたから、周りが何を言っても「どうせ本当は俺のこと悪く思ってるんだろ?」としか思えなかったけどね。
夏休みってさ、「楽しんでいい」から楽しいんだと思うのよ。
友達と一日中ゲームしたり外で遊んだり。
家族で旅行やキャンプ、海に行ったり。
ひきこもりの毎日が夏休みはさ、「笑うことも楽しむことも許さない」毎日。
少なくとも私のはそうだった。自分に監視され続けてた。
井上陽水の夢の中へのワンフレーズのようだ。
休むことも笑うことも許されない、許すことが出来ない。
誰かではなく、自分自身がそれを許せない。
誰かの姿を借りて、それを自分に言ってるイメージが浮かぶけどね、親とか周りとか社会とか。
結構大変なんだよね、毎日が夏休みってのも。
もし同じことを今感じている人がいたら、自分を許してあげていいからね。
と、言われても許せないだろうけどね。私だって無理だっただろうし。
ただまぁ、似たようなこと考えてた奴がここにいるってことだけ、知ってもらえればいいかな。
大変だよな、ホントに。