こんにちは
小説や漫画が大好きな
淀屋橋心理療法センタースタッフの湯浅です
今回のブログでは
南Q太さんの漫画「ぼくの家族」
から
子どもの「大した事ない不登校の理由」
について考えてみようと思います
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「ぼくの家族」のあらすじ
ステップファミリー(子連れ同士の再婚)として一緒に暮らす事になった
お母さん・広海(小4)
と
新しくお父さんになるノブくん・新しく兄弟になるサリナ(小4)
この4人が成長し
本当の家族になっていくまでのお話です
話の途中から広海は朝、お腹が痛くなることが続き不登校になっていきます
部屋に引きこもるわけでもなく、荒れるわけでもない、本人はいわゆる普通の
「元気な不登校」
普通にご飯を食べ、テレビを楽しみ、家族と話して笑います
“学校に行けない”ということ以外は本当に、普通に見えます
不登校になってしばらく経ったある日・・・
広海とお母さんが2人で新幹線に乗るシーンで
広海は不登校になった理由をさらっと話し始めます
・クラスにいやな女子がいる
・その女子は、あるおとなしい男子をいじめている
・先生は、いじめている女子の方を味方している
・先生はいじめられている男の子のことを「男の子が泣くのは変だ」「逃げてばかりで弱虫だ」と言う
先生達の言葉や同級生達の様子に、広海は納得できない様子でした
そして広海から理由を聞いたお母さんは
【広海の言う通りだと思うよ】
と返します
広海が不登校になった理由は
友達関係が嫌になったわけでも
自分自身がいじめにあっていたわけでも
勉強がつらいわけでもありませんでした
だけど、
先生達や同級生達から感じる空気の違和感
そして
広海自身がその違和感に折り合いをつけて
うまくやっていけない感じ
他人からしたら
「そんな事で学校に行けなくなるの?自分がいじめられているわけじゃないのに」
「それくらい我慢して行けばいいじゃん」
となるような理由でも
本人にとったら得体の知れない苦痛
朝起き上がれないほどの恐怖
そんなことも、不登校には多くあります
不登校は
”不登校の理由そのもの自体が全てではない”
事がよくあるように
感じます
もう少し詳しくお話させていただくと、
不登校は、理由のはっきりしたものもありますが
そうではないものも結構あります
学校の要因・家庭の要因・子ども本人の要因・・・
様々なものが複雑に絡み合って、起こってしまっている事が多いのです
ですから、子ども本人にとってはそれがとても重要な理由であると感じられることでも
先生や親からの視点では「大した事ない理由なのにどうして学校にいけないの?」となることもあります
なかなか見えてこない大事なものはどこにあるのでしょうか?
大なり小なり
毎日の生活の中には苦痛の山があります
それは、どの子どもにとっても同じでしょう
それをうまく乗りこなしていけるか
乗り越えていく力があるか
その操縦が、自分の力では上手くできない子もたくさんいます
ですから、うまく乗りこなしていく操縦ができないまま
親御さんが不登校の理由自体を追い求めすぎて
一時的にそれを解消できたとしても
また次の問題が起きた時に、
子どもはどうなるだろう…?
そんな風に思うのです
不登校の理由を探り、それを解決することはとても大事であり、大人の役目だと思います
そしてまた、子ども自身に「乗り越えていく力」をつけてあげることも、見逃してはならないとても大事なことであると考えます
作者の南Q太さんの描く漫画は
人間の細かい気持ちを表わすのがとても上手で共感できるので
いつも、すごいなあと思いながら楽しく読んでいます
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