りさぽん🎸🦔



※理佐ちゃんと由依ちゃんが卒業していないお話になります!苦手な方は読むのをお控えください🙇‍♀️



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理佐side




神様は不平等だ。




どうして自分は女で生まれたのか。
どうして同性だと結婚できないのか。



同じ人間なのに。




私が男だったら。
結婚して、子供もできたかもしれない。





恋愛に限らず、神様はどうしてこんなにも不平等なのだろうか。みんな違ってみんないいなんて綺麗事はもう聞き飽きた。




価値観は合うものじゃなくて合わせるものとか、みんな自分勝手に生きてるのに




私が…男だったら、、






由「ごめん理佐。やっぱり付き合えない」




理「え、?」




由「言ったでしょ?好きになれるかはわからない、けど手繋いだりハグしたり、恋人みたいなことをしていたら、好きになれるかもしれない。でも好きになれなかったら諦めてって」




理「うん、」




私が男だったら、、



理「私が男だったら、付き合えたのかな」



ボソッと言った言葉を由依が拾う
そしてわたしにトドメの一言を言い放った




由「そうだね。男だったら付き合えてた。結婚もしてたかもね、2人の子供もできてさ、「やめてっ、」




私が男だったら、由依は付き合ってくれてた。
性別が女ってだけで他の人に負けちゃうなんて、思ってもいなかった。





だけど、、ここまで言う必要ないじゃん。





理「そこまで言わなくていいじゃん、」




由「ごめん、」




理「もう、由依のこと吹っ切れたから。ありがとう、相手してくれて。」





そう言って、由依の元から離れた。
由依は、私が由依に恋愛感情を抱かないようにって必死だったのかもしれない。異性愛者からしたら気持ち悪いよね、












あれから何年経ったかな。
あの日から一切恋愛をせずに、アイドル。いや、櫻坂46の活動に専念してきた。もちろん同じグループに由依はいるし、改名してからはシンメにもなった。ファンの人からも"りさぽん"って騒がれるようになった。




同じ仕事も多いし、由依にきっぱり断られて正解だったのかもしれない。あのときは欅坂で"りさぽん"と騒がれることはあまりなかった。相関図で私を選んでくれた由依、嬉しくて告白した。もちろんびっくりされたし、恋愛としての好きじゃないこともわかってた。





でもあのときの私は嬉しくて仕方なかった。
調子に乗って勢いで告白した。そのせいで由依を振り回した。好きになってもらえる自信が少しだけあったから







由「理佐」



理「あ、こば。どうしたの?」




あの日から"こば"って呼ぶようになった。由依の前だけ。
ほんとは由依って呼びたいんだけどね





由「今日の練習、少し調子悪くてBANのサビがズレちゃったから練習付き合ってほしい」




"付き合ってほしい"




意味は全然違うのに、どきどきが止まらない。はぁ、もうだめだ、どうしたら好きじゃなくなるの。




由依への気持ちがなくなったわけじゃなくて。むしろ増してく一方で。だけど心の中で押し殺してた。そうしたら誰にも迷惑をかけないから。




由「理佐?聞いてる?」



理「あっ、あぁ、、」




緊張して言葉が出てこない




理「わたしで、いいの、?」



由「シンメだから合わせたくて。理佐しか無理じゃん?」




うれしい…




理「あ、、わかった、付き合うよ!」



由「ありがとう」




話すことはあっても目は合わない。
私はけっこう見てるつもりなんだけど、、由依が目を合わせてくれない。




由「もう始められる?」



理「うん!」




由依はズレてたって言うけど、そんなことなかったけどな。。




由「じゃあいきます」





〜 明け方までスマホ見てた それじゃ起きられるわけない

全てのことに遅刻して今日もサボってしまった 〜





〜 人生の電源切られるように 僕だけ退場ってこと?
        BANされても禁止されてもやめろって言われても
        わかりました改めますって反省なんかしない
        神様 何がいけないんですか?
        どこがその基準なのか知りたい 〜






由「一旦ここまで、」




理「なにもズレてないよ!上手だよ由依」

 

由「え?」



理「あ、、ごめん。」




気を抜いて由依って呼んでしまった。




由「う、うん。ちょっと、飲み物買ってくる!」



理「あ、こばっ、」



呼んでみたけど、走って部屋を出て行ってしまった



由依の顔、すごく赤かった。
少し疲れちゃったのかな…






由依side



理「上手だよ!由依!」



由「え?」



理「あ、ごめん、」




どうしよう、顔が赤くなっていくのがわかる
嬉しい、"由依"だって。もう何年も呼んでくれなかったのに。このタイミングで呼ぶのはずるいよ。


 

由「ちょっと飲み物買ってくるっ、」




なんていうのはあの場を離れるための口実で、顔が赤いのがバレないように走って部屋を出た




由「はぁ、はぁ、」




トイレの鏡の前で自分の顔を確かめる
耳まで真っ赤、、理佐にばれてる、よね。
 



理佐の声が頭の中で何回も再生される

 


由「なんであのとき、振っちゃったんだろ」




あのときの私は、女の子同士で付き合うっていうものがどんなものなのかが理解ができなくて、少し怖かった。




だけど、2期生が入ってきてわかるようになった。



理佐は2期生からモテモテで、仲良くしてるのを見ててもやもやしたり、他の人が理佐に触れるたび、嫉妬で狂いそうになる。





私の理佐なのに、勝手に触れないでよ、




なんて振ったくせに何言ってるのって話だよね。
理佐に振られたとき、もう吹っ切れたって言われたし、理佐はもう私のことなんか…



鏡の中の自分を見ると、目にたっぷりの涙を溜めていた




由「はぁ、早く戻らないと、」




いっその事ぶつかってみる?
あのとき、理佐がしてくれたみたいに。当たって砕ける?
だけど、、むりだよ、




自販機で2本の水を買って、理佐がいるところに戻る。
焦って遠いところまで走ってたみたい。
長い長い廊下を歩く。恋愛、、したことないからわからない。
どうしたらいいの?




そもそもあんな振り方して、あんなに理佐を傷つけて、好きとか最低すぎない?自分勝手すぎ、って言われるかな、




"男だったら付き合ってた"なんて、最低なことどうして言ったんだろう。まずは、謝ろう。




私が理佐にそう言われたら…考えるだけで心が痛くなる





由「おまたせ」




理「あ、おかえり!顔赤かったけど、大丈夫?」



由「うん、大丈夫だよ」




やっぱりバレてた、けど恥ずかしかったのはバレてないよね?




由「あのさ、、」



理「うん?」



由「あの…あのとき、男だったら付き合ってた、って、、」



理「あ、あぁ、うん。」



由「ひどいこと言ってごめんなさい。すごく反省してます。たくさん傷つけてごめんね、」




全力で頭を下げる。あぁ、泣きそう。
でも私が泣くのは違うから。



理「由依?頭上げて?」



軽く頭を上げて理佐の顔を見ると、にこにこしてた。



由「え、?」



びっくりして思わず声が出てしまった



理「なにも気にしてないよ?…なんて言ったら嘘になるけど、今まで何も変わらず接してくれてありがとう」



感謝をされてなにを言えばいいのかわからなくなる




理「あのね、由依。あのとき吹っ切れたって言ったでしょ?」




小さくうなずく




理「吹っ切れるわけなくてさ、ずっと由依のこと好き。付き合ってほしいとかじゃなくて。気持ちだけは知っててほしい」




由「付き合って、」




理「ん?ごめんね、聞こえなかった」




由「付き合って、?」




理「え、、?」




由「わたし、、振ったのに、どんどん理佐のこと好きになっちゃって、あのとき、、付き合うの、こわくてっ、」




ずっと堪えてた涙が溢れてきて、うまく話せない。



由「ずっと、好きだったっ、、最低なこと言ったし、理佐は私のこと嫌いなんじゃないかって、」



理「ふふ、そんなわけないでしょ」



由「うぅっ、」



理「気持ち伝えてくれてありがとう。」




振られちゃうんだろうな、付き合わなくていいって言ってたし、付き合う気はないんだろうな、




理「ねえ由依?」



由「ん?」



理「わたしと、付き合ってください」



由「え、」



理「だめ、、かな?」



由「だめじゃない、!よろしくお願いします、」



理「由依おいで」




そう言って、腕を広げる理佐。
私は、理佐の彼女、、




理佐の腕の中に思いっきり飛び込んだ




理「はぁあ、緊張した。よかった、」




由「ありがとう、だいすき、理佐だいすき!」



理「かわいい。私もだいすきだよ。」




幸せ、幸せすぎるよ、
涙がとまらない。




理「由依いい匂い。好き」



由「汗臭いでしょ、」



理「ううん、いい匂い」



何回も "好き" "可愛い" って伝えてくれる。




由「ねぇねぇ、」



理「うん?」



由「ちゅーしてよ!」



理「えぇ、恥ずかしいよ、」



由「うーん、じゃあいいもん」




チュッ




理「へへ、しちゃった」



由「あ、、」



自分から言ったのに、いざされると恥ずかしすぎる。



理佐の肩に顔をうずめる
恥ずかしいから、ぐりぐりしちゃお、




理「痛いよーー、」



由「急にするのが悪い、」



理「してって言ったのは由依でしょ?あと可愛いからしたくなっちゃった」




由「ばかっ!!」





これから何回、どきどきさせられるのだろう。
きっと数え切れないくらいの幸せが待ってるんだろうな、






神様は不平等なんかじゃない、
いつかは絶対味方してくれる。
私たちに微笑んでくれたように。






end
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お読みいただきありがとうございました!



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