りさぽん🎸🦔

 

 

寤寐思服⒉の続きです!

 

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酔い止めも飲んだし、お菓子も持ったし。

カメラまで持ってきた

 

 

 

今日は待ちに待ったバーベキュー

 

 

 

 

バスに乗り込む私に、

 

 

 

理「おはよう!」

 

 

 

 

と声をかける先生。たったそれだけで、胸の奥が苦しい。

1番後ろから2番目の席にみいちゃんと座る。一人だけ前に座るひかるは、後ろを振り向いてお菓子をくれる。

 

 

 

 

バスの中で出席を取る先生。揺れるバスの中で、ひとりひとりの名前と顔をチェックする先生は、今日も可愛い。

 

 

 

 

理「あ、3時間で着くから、着いたら起こして?」

 

 

 

 

そうやってみんなに言うと、1番後ろに座って、寝始めた。

 

 

 

こんな特等席ってある?私とみいちゃん席の隙間から後ろをのぞくと、先生の寝顔が見えた。

懐かしいなぁ、先生の寝顔。相当眠かったんだね、5分でもう夢の中みたい

 

 

 

 

みんなでカラオケやクイズ大会をしていたけど、先生は全く起きることなく爆睡していた

隙間から寝顔を見つめる私。あ、、目が合った…?

 

 

 

 

一瞬、先生があくびをしながら目を開けた。目が合ったような…

のぞいてたこと気づかれたかな?気のせいだったのか、先生はまた気持ちよさそうに寝ている。

 

 

 

 

バスガイドさんの声で目を覚ました先生は、目をこすりながら起きる

 

 

 

 

バスを降りる列に並ぶ私の後ろには、先生。

え…?先生が私の手を握った。誰にも見つからないように、そっと。

 

 

 

 

理「さっき私の寝顔、見てたでしょ」

 

 

 

由「え、?見てない…です、」

 

 

 

 

恥ずかしくて下を向く私に、

 

 

 

 

理「かわいい」

 

 

 

 

って先生は言って笑った

 

 

 

 

ほんの数秒の出来事。こんな些細な出来事が、私を支えてくれる。

 

 

 

 

握られた手の温もりが、ずっと残ってた

 

 

 

 

どきどきしっぱなしの私に、みいちゃんは言う

 

 

 

 

美「なに照れてるの?前は、あんなことやこんなことされてたのに」

 

 

 

由「もう…!みいちゃん!」

 

 

 

 

 

動揺して、洗ってた野菜を落としてしまった。

先生は、隣のグループに捕まって、なかなか抜け出せないみたい。結局、私のグループには顔を出してくれなかった。

 

 

 

 

視界の端に入る大園さんの笑顔と、耳に残る甘い声。

なんかやだ…

 

 

 

 

 

ひ「大園さん見てると、昔の私みたいだよね?」

 

 

 

 

ひかるが洗い物をしながらこっそり耳打ちした。

そっか、、誰かに似てると思ってたけど、昔のひかるだったのか。

 

 

 

 

ひ「大丈夫だって、先生ああいうタイプ、嫌いだから」

 

 

 

 

由「そう、かな?」

 

 

 

 

洗い物を終えた私達のもとにやってきた先生。

 

 

 

 

美「先生、遅いよ」

 

 

 

 

怒った顔のみいちゃんに、先生は本気でびびってる

 

 

 

 

 

理「ごめんね、今から自由行動だけど、私…必要?」

 

 

 

 

ひ「一緒にバトミントンしよ!先生!」

 

 

 

 

 

私達グループと先生は、バトミントンをして遊んだ。

じゃんけんで決めたペアで、一度だけ先生と一緒になれた。

 

 

 

 

川のせせらぎが響く中、先生のとびっきりの笑顔を見ながら、すごく楽しい時間だった。子供みたいにはしゃぐ先生は、前と何も変わらない。

 

 

 

 

 

理「小林さん、下手くそ!」

 

 

 

 

 

ラケットで私の頭を叩く先生。

 

 

 

 

由「先生がフォローしてよぉ、」

 

 

 

理「任せて!!」

 

 

 

 

何をしても素敵、なんでもできる先生。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疲れ果てて、帰りのバスでも眠っている先生。

もうカラオケをする元気もない私達。

 

 

 

 

クラスのみんなが眠りについた頃。みいちゃんと私のシートの隙間から、私の肩をツンツンって。

 

 

 

 

 

その指がだんだん上に上がってくる。

先生のばか…私の耳に触れた先生。その指を掴んだ

 

 

 

 

先生の温もり、久しぶり。

 

 

 

先生の手は私の頭に乗せられ、なでなでしてくれた。

腰を浮かせて振り返り、先生をみる。先生はまた眠そうにあくびをして、薄目を開けて微笑んだ。

 

 

   

 

先生は、今どんな気持ちで眠っているの?

 

 

 

 

 

その日の帰り、久しぶりにあった天ちゃんから聞いた。

友達が先生の家で待ち伏せしてたら、彼氏が家から出てきたって。

私の気持ちを知らない天ちゃんは、興奮気味に私に話した。

 

 

 

 

 

これでいい。これでいいんだ、私が思ってた通りに進んでるんだ。

じゃなきゃ別れた意味ないもん。

 

 

 

 

先生が元彼さん…いや、旦那さんと暮らしているとしたら、

それは私が一番望んでいたことで、喜ぶべきこと。

 

 

 

 

 

なのに、、どうしてこんなに涙が出るんだろう…

 

 


 

 

 

先生の家から男の人が出てきたってことは、先生は私が願った通り、ちゃんと家族3人で暮らしているんだろうか。

 

 

 

私…ばか。それを聞いてから、泣いてばかり。

それを望んでたはずなのに。

 

 


じゃあ、、どうして手を握ったの?

どうして私の心をかき乱すようなことするの?

どうして、どうして、どうして…

先生のばか、、、私がばかなのか、

 


 

 

月日が経つのは早いもので…

もう3年生になって1ヶ月が過ぎた。先生に会えないゴールデンウィークは、ぜんぜんゴールデンウィークじゃない。

 


新しくパン屋さんでバイトを始めた

理由は寂しさを紛らわすため。

 

 

 

先生はほんとに、結婚しちゃうかもしれない。

でもそれは、私が願ってたこと。

 

 

 

 

 

由「ただいまぁ、!パンもらってきたよ」

 



 

「お!やった!僕、好きなパンはあるか?」

 



 

お父さんは玄関でパンの入った袋を取ると、私の顔も見ずにリビングに行ってパンを広げる。

残ったパンをもらえた日は、いつもこんな感じ。

 

 


お母さんとお母さんと、ときどきお姉ちゃんも一緒になってパンを取り合いする。この時間が好き。

 

 

 

由「お姉ちゃんは?」

 


 

「今日は友達と出かけるって言って朝から出かけて行ったの」

 


 

「最近、よく朝から出かけてるなぁ…どこ行ってるんだ?」

 

 

 

お父さんとお母さんは少し不安げな顔をしていた。

 

 

 

 

時計の針は夜10時を指していた。

お母さんとお父さんは、コーヒーを飲みながら甘いパンを食べる。



私の働くパン屋さんにお願いしてメニューに追加してもらった、先生の大好物のエビグラタンのパン。

 


 

コーヒーの香りが好き。先生もコーヒーが好きだったな。

 

 

 

ガチャ

 

 


玄関で音がしたから玄関へ行った。

そこには、意味ありげな笑みを浮かべたお姉ちゃんが立ってた。

 

 

 

里「由依!聞いて!仕事、決まったよ!」

 

 

 

これは、大変なことだ。

お姉ちゃんが仕事を見つけてきた。しかも、自分ひとりの力で…

 

 

 

リビングで泣きだすお母さんの肩を抱くお父さんも、目を潤ませていた。

私も、泣きそうな顔を隠してお姉ちゃんに抱きついた。

 

 


手に持っていたのは、アイドルオーディションの紙

 



 

里「まだまだ人気にはなれないけどね、」

 



 

照れくさそうにその紙を隠す

 

 


里「自分磨き頑張って、絶対に有名になる」

 

 

 

そう言って逃げるように階段を駆け上がった





残されたお父さんとお母さんと3人で丸くなって抱き合った。





「ありがとう、由依。今まで苦労させたね、」





お母さんに抱きしめられるなんて、久しぶりだった。




階段に飾られた、幼き日のお姉ちゃんの写真を眺める。

その夜、とてもとても先生に会いたくなった。




先生に伝えたかった。お姉ちゃんが、自分で仕事を見つけてきたこと。そして、仕事の内容がアイドルだってこと。




せんせい…先生、、




我が家にすごいことが起こったよ。




本当ならここに先生も呼んで、みんなでお祝いしたい気分だよ…。






私はその夜、ずっと消せなかった先生からの留守電を聞いた。






coming soon…

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