りさぽん🎸🦔
寤寐思服の続きです！
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今日、雪が降った。1番に先生に言いたかった。黒板の前で授業をしてる先生をチラッと見てみる
もっと見ていたいけど、目をそらして、さっき見た先生を記憶から消そうと思った。
だけど、同じ教室で授業をしているのに視界に入れないようになんてできるわけない。
あれから何日経ったんだろう。
先生と別れてから、何もせずにただ時間だけが過ぎていく
美「今まで通りでいいよ、由依ちゃん。好きな気持ちは消せないよ」
そんなみいちゃんの言葉に救われた。
時間が解決してくれるまでは、自然に過ごすしかない。
思い出してしまう先生の笑顔や、最後の涙も、いつかは思い出に変わる。
思い出に変わるまでは、考えててもいいよね。思い出してもいいよね。
後悔しても…いいよね。
バレンタインの翌日は泣かずに過ごした。
みんなの恋バナを聞きながら、盛り上がってた。
みいちゃんは夏鈴ちゃんに車で送ってもらったらしい。
手も繋いだんだって。この2人は初々しくて可愛い。
昔の私と先生みたい
るんちゃんは、なかなか手を出さない土生ちゃんに不信感を抱いていた。
だけど、バレンタインの夜に2人は結ばれた。大事だからこそ、なかなか手が出せなかった土生ちゃん。
私が先生と別れたことは言わなかったらバレないと思っていたけど、みいちゃんにはすぐに見破られてしまった
みいちゃんは泣きながら私を抱きしめてくれた。今からでも遅くないから先生のところに戻りなよって言ってくれた
夢の中では毎日のように先生に会えた
先生は、あれから1回だけLINEをくれた
【チョコ美味しかったよ、マフラー、大事にしてもいいのかな】
まだ返事はしていない
別れてから、二人きりになったことがない
昨日、廊下ですれ違ったけど、先生の隣には女の子がいた。
目が合いそうだと思った瞬間、下を向いた私は帰ってまた泣いた
昨日の夜、家族に話した。
先生は、私だけじゃなく私の家族にとっても大切な存在だったから
「由依の決心はえらいと思う。先生は由依を忘れないよ」
「婚約者がいたなんてね。辛いけど、由依は正しいと思うよ」
お父さんとお母さんは話してくれてありがとうって言ってくれた
次の日は、清々しい気分で登校した
あれから授業以外で話しかけてくれなかった先生が、校門で声をかけてくれた
私のあげたマフラーをつけている
やっぱり大好きだな…
理「眠そうな顔して〜、早く寝なかったの？」
由「あ〜、うん、」
緊張して上手く話せない
理「そういえば小林さん、数学担当だったよね？あとで、みんなのノート集めて職員室に持ってきてくれる？」
由「はい…」
胸の奥が苦しい。まだこんなにも大好き、
１時間目の休み時間、高まる気持ちを抑えきれず早足で教官室へ向かった
「渡邉先生は、まだ授業だよ？」
あぁ、やっぱりこういう運命なんだ
由「これ、渡しておいてください」
そう言って職員室を飛び出した
教室に着いた瞬間、廊下を走って職員室に戻る先生が通った
そういうところ、好きだよ。
私との約束をちゃんと守ろうとしてくれるところ
生徒を大事にするところ
みいちゃんの机に行くと、
ひかると一緒に笑い合っていた
由「どうしたの？」
ひ「あ〜！由依、どこ行ってたの？みいちゃん、今日デートなんだって！」
ひかるがみいちゃんを冷やかす。
みいちゃんは私が先生と別れたことに気を遣って、あまり夏鈴ちゃんの話をしてくれない。みいちゃんの優しさを毎日感じる
由「やったじゃん！みいちゃん！今日の夜？」
美「うん…緊張、」
ひ「土生ちゃんは、今日会えないかもしれないんだよ！せっかくのホワイトデーなのにさ」
え？今日、ホワイトデーだったんだ
じゃあ、あれから1ヶ月がたったんだ、
みいちゃんは夏鈴ちゃんから何をもらうんだろう
みいちゃんの1番欲しい“夏鈴ちゃんの愛”はもらえるのかな？
由「みいちゃん〜、夜、絶対電話してよ！頑張ってね！」
美「由依ちゃん、ありがとう。ごめんね、由依ちゃん辛いのに」
由「私はもう吹っ切れたから気にしないで、なんでも話してよ！親友なんだから！」
美「ありがと、由依ちゃん無理してない？」
由「うん！無理に忘れるのやめたんだ。好きなもんは好きなんだからって開き直ることにした！」
美「そっかぁ、私は一生応援するから！」
抱きしめてくれたみいちゃんの温もりは、先生を思い出させた。
放課後、みいちゃんは走って帰っていった
『2年5組の小林さん、至急、職員室までお越しください』
校内放送で呼び出されるなんて、入学して初めてだった
ホワイトデーで浮かれた教室に響く放送は誰の耳にも入らなかった
由「失礼します」
職員室の奥に、先生の後ろ姿を発見した
私は、担任先生の元へ歩いた
由「先生、、なんですか？」
「小林さん？どうしました？僕は呼び出してないですよ」
少し気弱な私の担任は目も合わせずにそう言った
理「あ〜、すみません、先生。呼び出したの私です！」
その声は私が求めていた人の声。
髪を触りながらこっちに歩いてくる先生は、夕日を背中に浴びていてとても素敵だった
理「ノート提出したのはえらいけど、白紙だったよ？」
先生は、右手をぽんって私の頭に、
涙が出そうになった。大好きな先生の手が私の頭に置かれた瞬間、1ヶ月間の寂しさや辛さ、悲しさがどんどん溢れた
理「ノート、今から書き直し！」
先生は昔の口調のままそう言って、教室を出た
先生の後ろをトコトコついていく私はただそれだけのことにすごく感動していて。
大好き、大好き、大好き、伝えたい、
理「1ヶ月分のノートを書けって言っても、無理だろうなぁ、」
前を向いたままの先生の声が聞こえる
由「すみません、、」
理「まぁ、しっかり見てなかった私が悪いね」
先生が振り向いた
笑ってくれた、先生が笑ってる
理「実は…みんなほぼ書いてなかったよ」
先生の笑顔はすごく可愛くて、子供みたい
理「元気？」
少し目を細める、その表情も好き
由「先生は？」
私は聞こえないくらい小さな声で聞く
理「ん？私？…どうかな、」
また前を向き、歩く先生。その隣を歩くことはもうできない
由「私は…元気だよ」
私の強がる声に、先生は振り向いて微笑んだ
理「そっか、安心した」
そのまま長い廊下を黙って歩いて、教室へと向かった
本当はもっと話したいことがいっぱいあった
理「今日の授業と昨日の授業の学んだところだけ書いて」