りさぽん🎸🦔



寤寐思服⑤の続きです


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理「話すと言っても、、なに話そう」



美「先生が決めてよー」



理「うーん。。あ!わたしになにか質問してよ!答えれる範囲で答えまーす!」



先生に質問。聞きたいことは山ほどあるけど、、答えれる範囲、か。



美「はい!」



理「はい、小池さん!」



え、みいちゃんなに聞くんだろ。



美「先生は恋人がいますか!?」



みいちゃん!?それ、聞いちゃうの?



理「んー、どうだと思う?」



先生が、一瞬困った顔をしたのを見逃さなかった。



美「いると思う!!」



理「みんなの想像におまかせします〜」



上手く逃げた先生。知りたかったけど知りたくなかった。なんか気持ちが複雑。



美「はいっ!」



理「また小池さん?どうぞどうぞ」



次はなにきくのー、



美「先生の好きなタイプは!」



理「そうだなぁ」



当てはまってなかったどうしよう。。当てはまってるとも思っていないけど、少しくらいは可能性があれば…



理「答えないとだめ?」



美「はい!先生答えてー」



先生は少し考えたあと、わたしの方を見てにこっと笑った。



理「小林さん、みたいな人かな」



ん、?いや、え、ちょっと待って頭が追いつかない。。



美「由依ちゃん、?ぼーっとして大丈夫?」



由「あ、みいちゃん、ごめん。寝てたみたい。なんか先生に小林さんがタイプって言われて思考停止してた」



わたしがみいちゃんに事情説明していると先生が笑った。



理「小林さん、夢じゃないから。さっき目合ったでしょ?」



え夢じゃないの、、どうしよう、にやけちゃう。



麗「先生、彼女いるのに何言ってるのさ」



浮かれていると麗奈ちゃんが先生に話しかけた。



理「ん?守屋さん何言ってるの?彼女なんていないよ」



美「先生、ほんとにいないの?」



理「いないいない!ほんとにいないから!」



先生追い込まれてる。。



理「うーん。みんな信じてくれてないみたいだね。」



美「由依ちゃんは?信じてる?」



え、こんなタイミングで話を振る?いいんだけど、いいんだけどね、?



理「小林さんも信じてくれないの、?」



先生、その顔はずるいよ。。



由「私は信じてますよ」



理「うん、ありがとう。前に言ってた夜景、今日行こっか」



私は先生のことを見たまま動けなくなった。わざとみんながいるところで、みんなに聞こえるように言ったの?期待しちゃうじゃんか。



今日の補習が終わり、みんながぞろぞろと帰っていく。



美「由依ちゃん!良かったね!期待していいちゃう?」



みいちゃんが興奮しながら、私の背中を叩く。自分のことのように喜んでくれるみいちゃんが本当に好き。



美「由依ちゃん、帰ったら絶対電話してね」



廊下から先生の声がする。



理「だーめ!いくら頼まれてもゼロにはしないよ?せめて1回は来てください!」



補習の回数を交渉中の人たちがあと1回って言われて喜んでる。



私たちはみんなが帰った後に教室を出た。



理「あなたたちは相変わらず遅い!あ、小池さんは補習半分にしてあげるね」



美「ほんとに!渡邉先生ありがとう!でも由依ちゃんは毎日補習にしてあげてね



そんなことを言うみいちゃんの背中を叩きながら私が照れると、先生も笑った。




理「あ…小林さん。教室の鍵、あとで職員室まで持ってきて」



先生に、呼ばれた。先生に名前を呼ばれるたびにどきどきする。鍵持ってきてって、みんなに秘密って感じ、本当は鍵なんて先生が閉められるのに、ね。




職員室の扉を静かにノックした。




由「先生、!入るよ…?」



理「あ、早かったね」



私の顔を見るなり笑顔になる先生。



由「あれ、先生ひとり?」



理「え、うん。今日の補習は数学だけだから私だけだよ」



そうなんだ…てことは今学校には私と先生しかいないってこと、



理「今15時だけど、、夜景って、夜、だよね」




ちょっと緊張してるのか目が泳いでる。



由「うん、夜景は夜だよ?先生、緊張してるの?」



理「してません!!してるわけないでしょー」



ちょっと焦ってる先生がかわいい。



理「まだまだ時間あるけど…夜まで家帰る?それとも、職員室の片付け手伝ってくれる?」



そんなの手伝うに決まってるじゃん。



由「手伝う!!」




そう言うと先生にダンボールを渡された。こんなにいっぱいお片付けできるんだ…ってすごく嬉しくなる。




由「先生、、これは?」



理「あー、みんなプリント無くすからいっぱい作ってあるんだよね。。全部ゴミ!」



想像してたよりキツめの掃除。でも先生と一緒なのが楽しくて仕方ない。



毎日先生が座っている場所。机の上を見ると先生の私物がいっぱい置いてある。財布、スマホ、コーヒー。



理「あ、制服動きづらくない?これに着替える?」



先生から渡されたのは1年前の体育祭で先生が来ていたジャージ。



由「え、これ着ていいの?」



なんて言いつつも、ほんとは泣きそうなくらい嬉しい。



理「じゃあ職員室の外にいるから、ゆっくり着替えてね!着替えたら声かけて〜」



由「先生、覗かないでね!」



理「ん?ばーか」



先生はそれだけ言うと出ていった。先生の服…この服を洗濯したのが先生の彼女だったとしても嬉しいよ。



先生が着てる服に包まれて、幸せな気持ちになる。鏡の前に立ってみる。



由「あ、、」




ちょっと大きい、、
早く着替え終わりすぎたな…ちょっとくらい遊んでいいよね。先生の椅子に座ってみた。なにか残したいな…




私は先生のコースターの裏に"好き"って書いた。これくらい許してね、先生!



理「小林さーん、着替えたー?」



慌てて先生の椅子から立ち上がり、職員室のドアを開けた。



理「え、顔赤いよ?大丈夫?」



先生は香水の匂いをさせながら、ポンって私の頭に何かを置いた。



理「ちょっと休憩ね」



先生からの冷たいオレンジジュースの差し入れ。



由「先生!ありがと!ほんとにありがとう」



理「んー?オレンジジュースがそんなに嬉しい?じゃあこれもあげる」



先生は机の引き出しから取り出したチョコレートを私に渡してくれた。



理「よし、だいぶ綺麗になったね!お疲れ様!」



時間は17時半を過ぎていた。あれから2人で無心で片付けを頑張った。




夕日のよく見えるこの机。そして、オレンジ色に輝く先生の横顔。先生は毎日ここで仕事をしてるんだね。何を考えながらここで夕日を見てるのかな。誰を思っているのかな…。
初めて声をかけたあの廊下での、先生の目が忘れられない。先生は寂しい目をしていた。




誰かを思ってる目。寂しそうな、切ない目。
気のせい?違う。先生が好きだからわかる。ときどき遠い目をする先生。先生を抱きしめたいって思っちゃうような、そんな目をする。





coming soon
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お読みいただきありがとうございました!!