ケン「大切なのはそこじゃない。一番大切なのは・・・」 

 

 

------------つづき----------------

 

ケン「「そういう自分も認める」ことだよ」 

けん「え?できない自分を?」

 

ケン「できるできないは、あくまで結果だ。結果だけの世の中ならできない奴はこの世にいらないし、できる人間だけいる世の中だ。そんな世界あったもんじゃない」 

けん「でも結果を求められるときもあるじゃん」

 

ケン「それは社会で対価を受け取っているからだろう」 

けん「対価?」

 

ケン「給料のことだ。労働に対する対価だよ」 

けん「ああなるほど」

 

ケン「社会で生きていくにはお金というのは必ず必要なものだ。働く人たちは、みんな働いた対価としてお金をもらうんだ」 

けん「うんうん」

 

ケン「お金を稼ぐということは、お金を払ってくれる人に対して責任を取らないといけない。その責任が「結果」というものなんだ」 

けん「なるほど」

 

ケン「だがキミがキミ自身を認めるかどうかは別に対価なんていらないだろう。それは給料もなければ責任もない。気持ち次第だ」 

けん「うん」

 

ケン「話がややこしくなってしまったな。要は社会で求められる結果とキミが自身を認めることは違うということだよ」 

けん「そうなんだね」

 

ケン「自分をどう思っていようがそれはその人の自由だ。すごいと思っていたって、ダメな奴だと思っていたって、それ自体で誰にも迷惑はかけないのだから」 

けん「なるほど」

 

ケン「なら周りで起きる結果ばかり見てないで、そんな自分も認めてあげていれば気持ちが楽にならないか?」 

けん「なるほど。たしかにそうかもね」

ケン「完璧な人間なんて一人もいない。みんな嫌な部分もあるかもしれないし、コンプレックスだってあるだろう。それの向き合い方こそ,その人のココロが出てくるものだよ」 

けん「向き合い方か」

 

ケン「周りと比べることが多い人は優劣で気分が上がったり下がったりだ。とても疲れる。だがどんなときでも自分を認められて自分を好きでいる人は他人と比べたりしない。もし比べたい時があったとしても自分を認めていられているのだから、あまり気分は上下しないだろう。だから気持ちが楽だし落ち着いていられる」 

けん「そうか」

 

ケン「だからできなくたっていいんだ。ちゃんと認める。それが大事なんだよ」 

けん「なるほど、認めるか」

 

ケン「まぁこれもいきなり最初からできないけどな」

けん「やっぱり?」

 

ケン「ああ、気持ちができていないと難しい」 

けん「なるほど、気持ちかぁ」

 

ケン「少しずつでいい。ほんの少しずつ。何か起きた時「こんな自分もいるんだ」「こんな自分もいいよね」と意識して思うといい」 

けん「思うだけでいいの?」

 

ケン「ああ。できれば声に出すといいが、まずはそこから。人の気持ちは一朝一夕ではできない。だから少しずつ、毎日やっていくといい。前にも言ったが続けることが大事なんだ」 

けん「わかった。やってみるよ」

 

ケン「ああ、そうしてみるといい」 

けん「ありがとう」 

 

ケン「かまわないさ。それよりボクの生きる意味の話がいつの間にか少しそれてしまったかな。すまない」 

けん「別にいいよ。今回たくさん学ばせてもらっているし」

 

ケン「そうか」 

けん「君の生きる意味が探していくものなら、みんな生きるってそういうことなのかなぁ」 

 

 

ケン「ではボクの話はこれぐらいにしてキミについて話をしようか」

 

 

 

 

-------------⑨につづく-----------------