「国銅」
帚木 蓬生 (ははきぎ ほうせい)

今この本を読んでいます。
最後まで読んでいないのに皆様に感想を述べたりお薦めをするのはよろしくないかもしれませんが。。。
久しぶりに感動大作とめぐり合った気がして、とても嬉しいのでちょっとだけ書かせていただきます。

天平の時代、奈良東大寺の大仏建立という国を挙げての壮大な一大事業の一端を担った一人の人足の物語です。
(「一」が三つ並んだ!γ(▽´ )ツヾ( `▽)ゞ)

主人公の国人(くにと)を取り巻く様々な人々全てが正邪に関わらず魅力的です。
寡黙すぎるほど寡黙でありながら人々から慕われ、尊敬されている兄。
耳が聞こえないために人々から馬鹿にされ、邪魔者扱いをされ続けている国人の人足仲間の黒虫。
実は彼は人知れず素晴らしい能力を秘めているのです。
鬼のように人足を働かせる作業場の頭たち。しかし彼らにも自分の仕事に対する大きな理想と確固たる責任感があるのです。

大仏建立に費やされた14年という長い年月の中で、全く何も知らない一人の少年だった国人が、常に自分を高め、目的を全うしようとし続ける姿が、まるでわが子の成長を見守る母親のような気持にさせられます。
国人は不器用ながらも一つ一つ確実に仕事を覚え、仲間を思いやる優しさと強さを知り、また、一から文字を覚え、詩を読み、広い世界や宇宙の存在を知り、生きる意味の深さを考えられるまでになるのです。

仏像の製造工程についても詳細に描写がされています。
まずは山から璞石(はく)を切り出す作業からなのですが、どの工程も本当に恐ろしく過酷で、それに携わる人々の疲労感、絶望感、恐怖感がひしひしと伝わります。
わたくしたちが今 目にしている数々の美しい仏像は、何万人という人々の人生や命と引き替えに作り上げられたものだったのですね。。
今後わたくしは仏像を眺める目が随分変わるだろうと思います。

最初に書きましたが、わたくしはまだ最後まで読んでいません。
上巻がそろそろ終る頃です。
もしご興味を持って今から読まれる方がいたとしても、最後まで読み終えるのはおそらくわたくしの方が後になるだろうと思います。

今 無性に誰かと何かを張り合いたい心境の方。

わたくしに挑戦するがイイ。王様