今日話題になっていたNew York Timesの英語の記事「Why I Am Leaving Goldman Sachs(なぜゴールドマン・サックスを離れるのか?)」の冒頭部分を翻訳しました。感想をいただければ幸いです。
追記:2012年3月18日の午後に二つのパラグラフの翻訳を追加しました。
NYTの記事のURL:http://www.nytimes.com/2012/03/14/opinion/why-i-am-leaving-goldman-sachs.html?pagewanted=all&src=ISMR_AP_LO_MST_FB
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GREG SMITH: Why I Am Leaving Goldman Sachs
グレッグ・スミス:なぜゴールドマン・サックスを離れるのか?
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今日がゴールドマン・サックスでの最後の日だ。ほぼ12年間の在職後-最初はスタンフォード大学在学中の夏のインターンとして、次に10年間のニューヨーク勤務で、そして今ロンドンにて-この会社の文化、人々そしてアイデンティティの変遷を理解するのに十分長く働いてきたと信じるに至った。そして、現在の会社を取り巻く環境はかつてないほど有毒で破壊的だと率直に言うことができる。
問題を最もシンプルな言葉で言い表すのなら、会社の経営上でもお金を稼ぐ考え方でも、顧客の利益は二の次にされ続けているということだ。ゴールドマン・サックスは世界で最も大きく重要な投資銀行のひとつであり、国際金融にあまりに不可欠な存在なのでこのやり方を継続することがあってはならない。大学を卒業してすぐ加わった時にいた場所からこの会社は大きく外れてしまっており、もはや良心に省みて会社がよって立つものと自分が一致すると言うことができない。
-----(2012年3月18日の午後の追加分)
こう言うと、世間一般の疑い深い人たちには驚かれるかも知れないが、文化は常にゴールドマン・サックスの成功の生命線だった。文化がチームワーク、誠実さと人道的精神の源泉であり、常に顧客を公平に扱うことにつながった。文化こそ私たちが働く場所を偉大にし、143年間顧客の信頼を勝ち得てきた秘伝のソースだったのだ。それは単にお金を稼ぐということではない。これだけでは会社を長い間持続させることはできない。文化は組織に宿る誇りと信念とに繋がりがある。悲しいことだが、今日あたりを見回すと、長年愛情をもってこの会社で働く源泉となった文化はその痕跡さえ見えない。私にはもう誇りも、信念さえも持ち得ない。
しかし、いつもそうだったわけでない。私は10年以上、精神的にきつい選抜試験をつうじて、志願者をリクルートし彼らのメンターとなってきた。三万人以上いる会社のなかから、世界中のキャンパスで上映されるリクルート用のビデオに登場する10人のうちのひとりにも選ばれた。2006年、何千人という応募者から選ばれた80人の学生ために、ニューヨークでのセールスとトレーディングのインターン・プログラムを成功裏に終わらせた。
しかし、その時と同じ目で学生たちを見て、ここが素晴らしい働き場所だともう言えないと悟った以上、私が会社を去らねばならない時はきたのだ。
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追記:2012年3月18日の午後に二つのパラグラフの翻訳を追加しました。
NYTの記事のURL:http://www.nytimes.com/2012/03/14/opinion/why-i-am-leaving-goldman-sachs.html?pagewanted=all&src=ISMR_AP_LO_MST_FB
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GREG SMITH: Why I Am Leaving Goldman Sachs
グレッグ・スミス:なぜゴールドマン・サックスを離れるのか?
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今日がゴールドマン・サックスでの最後の日だ。ほぼ12年間の在職後-最初はスタンフォード大学在学中の夏のインターンとして、次に10年間のニューヨーク勤務で、そして今ロンドンにて-この会社の文化、人々そしてアイデンティティの変遷を理解するのに十分長く働いてきたと信じるに至った。そして、現在の会社を取り巻く環境はかつてないほど有毒で破壊的だと率直に言うことができる。
問題を最もシンプルな言葉で言い表すのなら、会社の経営上でもお金を稼ぐ考え方でも、顧客の利益は二の次にされ続けているということだ。ゴールドマン・サックスは世界で最も大きく重要な投資銀行のひとつであり、国際金融にあまりに不可欠な存在なのでこのやり方を継続することがあってはならない。大学を卒業してすぐ加わった時にいた場所からこの会社は大きく外れてしまっており、もはや良心に省みて会社がよって立つものと自分が一致すると言うことができない。
-----(2012年3月18日の午後の追加分)
こう言うと、世間一般の疑い深い人たちには驚かれるかも知れないが、文化は常にゴールドマン・サックスの成功の生命線だった。文化がチームワーク、誠実さと人道的精神の源泉であり、常に顧客を公平に扱うことにつながった。文化こそ私たちが働く場所を偉大にし、143年間顧客の信頼を勝ち得てきた秘伝のソースだったのだ。それは単にお金を稼ぐということではない。これだけでは会社を長い間持続させることはできない。文化は組織に宿る誇りと信念とに繋がりがある。悲しいことだが、今日あたりを見回すと、長年愛情をもってこの会社で働く源泉となった文化はその痕跡さえ見えない。私にはもう誇りも、信念さえも持ち得ない。
しかし、いつもそうだったわけでない。私は10年以上、精神的にきつい選抜試験をつうじて、志願者をリクルートし彼らのメンターとなってきた。三万人以上いる会社のなかから、世界中のキャンパスで上映されるリクルート用のビデオに登場する10人のうちのひとりにも選ばれた。2006年、何千人という応募者から選ばれた80人の学生ために、ニューヨークでのセールスとトレーディングのインターン・プログラムを成功裏に終わらせた。
しかし、その時と同じ目で学生たちを見て、ここが素晴らしい働き場所だともう言えないと悟った以上、私が会社を去らねばならない時はきたのだ。
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