長文です
8年ぶりの上演となった、『クレイジー・フォー・ユー』(CFY)。
KAAT神奈川芸術劇場での横浜公演が、7/22に千秋楽を迎えました。
CFYは、四季のレパートリーの中でも特に好きな作品です。また上演されるのをずっと待っていました。
約3ヶ月の公演期間で、13回観ました。だいたい週1のペースで観たことになります。
日本上演2000回の特別カーテンコールを3回観られたし、リハーサル見学会にも1回だけ参加できたし、スタンプラリーも6個と9個両方達成できたし、楽しい3ヶ月でした。
本当はもっと観たかったのですが、KAATは我が家からも職場からもちょっと遠いのがネックになりました。 おまけに平日ソワレが18時開演で、仕事帰りに寄るのは無理。なので、土日祝中心の観劇になりました。土日も他の演目の観劇予定があったので、調整に苦労しました。
そして、13回めの観劇だった19日が、私の横浜公演最後の観劇になりました。
仕事は午後半休を取りました。
キャストボード。↓
私と母のご贔屓くんたち(ワイアット:渡邉寿宏くん、ピート:成田蔵人くん)は残念ながら先々週までの出演でした。千秋楽の週にちょこっと帰ってこないかなと淡い期待を抱いていましたが、かなわず。チケットを公式に戻そうとも思ったのですが…
私も母も大好きな宮田愛ちゃんが先週から戻って来てくれました 『アラジン』で注目し始めた河井莉佳ちゃんと、『バケモノの子』でお気に入りだった猫ちゃん・濵絢音さんも
最後は女の子たちを堪能しようと、母と出掛けました。
席は、四季の会先行で取った、上手ブロックの2列めでした。
端っこ寄りですが、舞台が近かったです
最後なのでボビーベアくんも記念撮影。
まったくの偶然ですが、この席、6/27のリハ見の日の公演で座った席と同じでした。
千秋楽が近いせいか、平日ソワレでも客席はほぼ埋まっていました。今までは土日でも1階のサイドブロックの後方列や2階席は空席が目立っていたのに。
実は私、7/16の公演も観ました。千秋楽前の最後の日曜日だったからか、入場口の横のチケットボックスに「満員御礼」の札が出ていました。
観客でいっぱいの客席はなんだか熱が溢れていて、舞台の上のキャストさんたちもすごく熱量のあるパフォーマンスを見せてくれて、16日の公演は劇場全体が熱かったです。観客とキャストがお互いに恋をしているみたいな空気感でした。
19日の公演も16日に負けないくらい熱かった
特にポリー役の町真理子さんが大熱演でした。
今回の横浜公演で、ポリー役に初めて挑んだまちまりちゃん。初めて観た時からパワフルなポリーでしたが、更にパワーアップしていました
最初に舞台に登場する「郵便」から元気いっぱいで、デッドロックの男たちと一緒に私まで腰を抜かしそうでした。
ボビーを殴ったりぶん投げたり持ち上げたり、腕っぷしの強さもぐんと上がっていました。
パワフルになったと同時に、ポリーの感情表現が細かくなっていたようです。
ポリーはどちらかというと単純な性格で、規模の違いやマイナス方向かプラス方向かの違いはあれ、割とすぐに感情が爆発してしまうようです。まちまりちゃん、ポリーのそんな性格をわかりやすく、そして魅力的に表現していたと思います。
特に、ボビーと出会ってからボビーの正体を知るまでのポリーの、ジェットコースターのように上がったり下がったりする心情の表現が素晴らしかったです。
2幕の終盤で、ショーを投げ出してニューヨークにボビーを探しに行くというポリー。実は私、長いことこの演目を観て来ても、この場面のポリーの行動は「ちょっと唐突すぎないか?」と感じていたのですが、今回のまちまりポリーは、ボビーへの想いが溢れて止まらないのが痛いほど伝わって来ました。泣き出しそうな顔で、でも情熱的な口調でエベレットにボビーへの想いを語るポリーに、私も目元がちょっと熱くなりました。この場面でジーンとしたのは初めてなような気がします。
まちまりちゃん、ポリーという役と出会えて、女優さんとしてグンと成長したのではないかと思います。全国公演でも更なる成長を見せてくれることに期待しています。私は全国公演は2公演しか観られませんが。
前回公演ではタイミングが合わず観られなかった萩原隆匡さんのボビー。
さすがの芝居達者、そしてダンス力でしたが、"ボビーを演じている萩原隆匡という俳優"という印象が、観るたびに大きくなっていきました。
コミカルな芝居もうまかったけど、ちらちら見えてしまうランプの魔人の影…これは、私だけかもしれませんが。
斎藤洋一郎くんのほうが、ボビーとして自然に舞台にいたと思います。
実は私、今まで洋くんがあまり好きではありませんでした。何をやってもそこはかとなく漂う根暗な雰囲気が苦手だったのです。
ボビー役候補になったと知った時、底抜けに明るい役なのに洋くんにできるの?と思ってしまったのですが、蓋を開けてみたらとっても明るくておまぬけで魅力的なボビーでした。根暗な雰囲気は微塵もなくて、ボビーは洋くんにピッタリな役だと確信しました。今までやって来た役は洋くんの本当の魅力を活かせてなかったのではないかと思ったくらい。
洋くんボビー、本当に素晴らしかったです 全国公演でも観られるといいな。
アイリーン役の岡村美南さんは、開幕まもない頃はなんとなく抑え気味の芝居をしているような気がしました。
でも、6月4週めに久々にアイリーンに戻って来たら、すっごくノリノリのアイリーンになっていました。
『Naughty Baby』での欲求不満炸裂ぶりが素晴らしい キスの相性から始まる恋もあるんだなあと妙に納得させられました。セカンドバッグの投げ方も、以前は控えめだったのに、ブーンとセットの後ろまで飛んで行きました
以前はちょっと苦手だった岡村さん。『ロボット・イン・ザ・ガーデン』のエイミーに続いて、アイリーンも大好きになりました。
そういえば、アイリーンがポリーと初めて会った時に、ポリーのことを「大自然の中で育ったお嬢ちゃん」って言ってたけど、以前は「おぼこ娘」って言ってましたよね? 今時「おぼこ」なんて使わないし、ちょっと下品な言葉だから変えたのかな。
テス役の宮田愛ちゃん。強くてカッコよくて、大人の女の凛とした魅力溢れる、とても素敵なテスでした
ザングラーさんにほだされちゃう時の表情がすごくよかった テスは、ザングラーが自分に迫って来るのは妻帯者のただの気まぐれと思っていて、悪い気はしないものの深入りしないようにしていたんだと思います。ザングラーの愛が本物だと知って、心から見せる笑顔。少し照れたような感じも見えるのがナイスでした
『I Can’t Be Bothered Now』ではピンクチュチュでキュートな愛ちゃん。美脚揃いのフォーリーズの中でも長くてスリムなおみ足が眩しい 間奏でボビーとフォーリーズが1列に並んで踊るところがあるのですが、16日に観た時は愛ちゃんがちょうど正面に来ました。両手で銃を作って撃つような振り付けで、愛ちゃん、「バンバン」て声を出していました。すっごくノリノリで踊ってたのね 素敵
岡村さんも愛ちゃんも前回公演ではポリーを演じていました。今回は2人とも大人の女の役で作品を盛り上げてくれました
ランク役の徳久山慶さんは、開幕当初は芝居っけがなくてあまり面白くないランクでした。せっかく体格もいかせる役なのにもったいないなーと思っていましたが、どこかで何か吹っ切れたのかと思えるくらい、どんどん面白くなっていきました。
アイリーンに「お尻に脳みそが詰まっているような赤毛の女なんです!」と侮辱するようなセリフを言ったあとの、得意げに小踊りしているのに笑いました。
ランクも、徳久山さんの役になりましたね。
ザングラー役の荒川努さん。
さすがCFYのレジェンドだけあって、作品をしっかり支える存在だったと思います。
最初の頃は、ハギーのボビーと組むと、『What Causes That?』でザングラーさんに化けたボビーが2人いるように見えたけど、公演終盤はしっかり本物のザングラーさんとニセモノのザングラーさんに見えました。
リハ見ではダンスも演技も歌も総合的な視点でダメを出していた荒川さん。全国公演でも、カンパニーをしっかり支えてくださるでしょう
ザングラー・フォーリーズの1人・スージー役の河井莉佳ちゃん。
『アラジン』の女性アンサンブル2枠で、とても表情豊かだったのに目を引かれて、密かに応援している女優さんです。踊りながらくるくる表情が変わって、時々ウィンクを飛ばすのがかわいくて アグラバーの街の女の子の時はアラジンが大好きなようで、ジャスミンにヤキモチやきまくりなのがこれまたかわいかったです。
スージーもくるくる表情を変えて、ウィンクも飛ばしまくりでとってもかわいかったです
『I Can’t Be Bothered Now』でクルマのボンネットから出て来るのがスージー。最初にフォーリーズとボビーが踊る時にボビーと手を組んで踊るのもスージーです。
デッドロックに到着した時に、自分のお尻に目が釘付けのジミーにわざと見せつけるような動きと小悪魔的な表情を見せるのもかわいい
『I Got Rhythm』の中盤では、ツルハシの上に乗って振り子のように振り回されるスージー。莉佳ちゃん、「キャー」と楽しそうに声を上げていてかわいかったです
とにかく、見ていて飽きない莉佳ちゃん。全国公演にも出るのかな。アグラバーにも帰って来てほしいなあ。
2幕の撃ち合いシーンでは、ハプニング発生。
ザングラーさんにネタばらししてみんながランクの店から出ていくところで、かうんたーにいたピートとその周りにいたアンサンブルさんたちが何故かなかなか出て行かない。
どうしたのかなとよく見たら、カウンターの後ろにある棚に、ピートの衣装が引っ掛かってしまったようでした。
周りのアンサンブルさんたちが取ろうとしばし格闘。その間、ザングラーさんは酔っ払いぷりをさりげなく披露。やっと取れてピートたちが引っ込んでから芝居を進めました。違和感なく進んだと思います。
本番中のトラブルは何度か目撃したことがあるけど、俳優さんたちの対応力にはいつも頭が下がります。さすがプロ
カテコでは、フォーダー役の田島康成さんがほぼ正面でした。
田島フォーダーさんは2幕冒頭で食事をしている時、ひとくち食べるごとに「なんだこれは?」と顔をしかめていたのが面白かったです。アイリーンの言う通り、「食べられたものではなかった」のでしょうね
実は、田島さんはファミリーミュージカルのお見送りで顔見知りになって、10年以上になります。私たちのことをおぼえていてくださるかなーと恐る恐る田島さんに向かって手を振ったら、気付いてくださったようです。頷いて手を振り返してくれました。
田島さんにはお手紙も差し入れもしたことないのに、まだおぼえていてくれているとはありがたい
わー
すっかり長文になってしまいました。
大好きな作品だからつい熱く語っちゃったわ。
まだまだ書きたいことがありますが(渡邉寿宏くんとか成田蔵人くんのこととか)、これくらいにしておきます。
最後までおつきあいありがとうございました。