2022.1.1昼『ロボット・イン・ザ・ガーデン』(観劇初め) | 猫はミュージカルの夢を見るか

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猫と劇団四季が大好きなオバサンの、猫との日々と観劇日記。
愛猫は2022.2.8にお空に還ってしまいました。
観劇日記はサボリ気味です…。
2023年春から、バラを育て始めました。

2022年の観劇のスタートは、大好きな『ロボット・イン・ザ・ガーデン』にっこり いつものように母と行って来ました。




キャスト。↓


席は1階センターブロックの前方列の上手通路横でした。

私の前の席の方がちょっと大柄な女性で(その方の列に何人か男性が座っていましたが、男性より座高が高い汗 しかも横にもちょっと大きかったあせる)、舞台中央の視界が遮られました。まあ仕方がないですね。でも舞台から近いので俳優さんのお顔もセットのあちらこちらもよく見えました。


さて、昨年末に急にキャス変があり、新キャストさんがたくさんデビューしました。

ボリンジャー役の佐野正幸さん、カトウ役の渡辺吾郎さん、リジー役の山崎遥香さん、ブライオニー役の宮田愛さん、デイブ役のツェザリ モレゼフスキーさん、ロジャー役の鈴本務さん、バイプレイヤーの秋本みな子さん・熊川剣一さん、アンドロイドダンサーの帶津翔太さん・河上知輝さん・川口侑花さん・竹内華さん・日高彬文さん・山田祐里子さん。ほとんどのキャストが入れ替わりました。

今回は、新キャストさんと、初めて観た長野千紘ちゃん&安田楓汰くんのタングを中心に、感想を書いていきます。

注意長文&一部辛口コメントあり。嫌な方はここでお引き取りください。








佐野正幸さんのボリンジャーは、野中万寿夫さんのボリンジャーよりもサイコパスぽくて怖かったです。ベンと初めて会った時は柔らかな優しい喋り方と声音なのに、話しているうちにだんだん自分に酔っていって、どんどん不気味な本性が見えて来ました。

自分以外の命を物のように思っているしそのように扱う。人間の命ですら、使い捨てていい道具だと思っている。本物のキ●ガイです。野中さんのボリンジャーには、わずかながら"ジェームズ"への愛(というか愛着)が感じられたのですが、佐野ボリンジャーは本当にタングをチップの入れ物としか思っていないようです。怖い。

歌はさすがでした。『至高の砦』の高音のロングトーンは美しくも不気味な圧が感じられて、ゾクっとしました。

佐野さんはボリンジャーの他にもベンの父、街の人、機長(開幕アナウンスと1幕終わりのアナウンスも佐野さんに変わっていました)、ホテルカルフォルニアの客、ヒューストンの警官、秋葉原の紳士など色々やってますが、警官がちょっとヘンで面白かったです。ベンにこの子(タング)のオーナーかと尋ねて、ベンが「そういうわけでは…」と答えたら、急にピリピリした感じがなくなって「オーナーじゃない」と呟きながら手帳に書き込む仕草。で、書き終わってからハッとして「それじゃ、誘拐!?」と大騒ぎ。まるでひとりノリツッコミみたいで笑いました。

秋葉原でのダンスは…まあ歌の人ですからねあせる お歳のこともあるし。佐野さんも昔はスキンブルシャンクス(キャッツ)だったけど、そのあとは特にダンスが必要な役はやってなかったもんなあ。野中さんは昔から『キャッツ』に出ていて五反田まではマンカスやってたし、『ウエストサイド物語』でもバリバリ踊っていた人だから、『ロボ庭』でもちゃんと踊れてます。

ベンの父はとても優しそうでちょっと気弱そうなパパでした。ママ役の秋本みな子さんと素敵な夫婦っぷりでした(そういえばこの二人、ファントムとマダム・ジリーですね)。


渡辺吾郎さんは、カトウだけでなく他の役も丁寧に演じていますが…ちょっと地味というか、華がないんだよなあ。どのキャラクターも、いい意味でも悪い意味でも普通の人でした。

アンドロイド販売人もレンタカー屋の金髪ニイチャンも、もうちょっと弾けてもいいかなと思いました。萩原さんや唯くんと比べるとテンション低めです。まだ、無意識に照れちゃってるのかな。

カトウは「あー、こういう人会社にいるよな」と思いました。普通のサラリーマンぽかったです。独立して仕事をしているよりも、会社に所属してエンジニアをやっている感じ?

萩原さん・唯くん・渡辺さんの3人のカトウの中では一番恋に不器用そう。もしかして、カトウは極秘プロジェクトに入る前にリジーに自分の気持ちをちゃんと伝えていない?(ほとんど両想いだったのに自分から告ってない?)と思いました。

歌はじょうずでした。伸びやかでクセのない歌声が好感度大です。

そういえば、カトウの「今はAI活用のコンサルタントをやっています」というセリフがなくなりました。


山崎遥香さんは、『キャッツ』のボンバルリーナや『パリのアメリカ人』のアンサンブルで、セクシーな役をやる人、というイメージがあったので、セクシーという言葉とは無縁なリジー候補になったと聞いて驚きました。リジーをやるということは、アンドロイドアイドルのメアちゃんもやるということで、ボンバルの山崎さんからもパリアメの山崎さんからも"アイドル"は想像できませんでした。反面、山崎さんの新たな顔を見られるかもという期待もありました。

不安と期待半々で観た『ロボ庭』の山崎さん。

リジー、かわいかったです。大きな目とくるくると変わる表情がとてもいきいきてしていて素敵でした。

カイルとの仲良しっぷりも愛情溢れてほほえましかったです。(カイルと)「家族になりたかった」というセリフにもカイルへの愛が感じられてグッと来ました。

山崎さんのソロの歌声はボンバルリーナでちょっとだけ聴いていましたが、長いソロは初めて聴きました。歌える人なんですね。そういえばパリアメでもナイトクラブの3人組のコーラスグループ役をやってました。去年中止になってしまった『ノートルダムの鐘』では、エスメラルダ候補だったそうで。山崎さんのエスメラルダ、観てみたいかも。

メアちゃんもかわいかったです。特徴的なアイドルの振りや少しアニメ声で歌うのも上手でした。

ホテルカルフォルニアの黒髪ストレートのアンドロイドは、衣装とウィッグがあまり似合ってない気がしました。ダンスは文句なしでしたが。

マイクロンシステムズのブロンドのアンドロイドさんは、下手でパソコンに何か打ち込む作業を、近くにいたアンドロイドにやらせておサボりしてました。アンドロイドの仕事ぶりに満足しなかったのか、途中から自分で打ち込みはじめました。相原萌ちゃんはやらなかった芝居で面白かったです。『夢見るマシン』のベンをみんなで囲む時は、相原萌ちゃんも目を見開いてベンを見下ろしてて怖かったけど、山崎さんも大きな目を見開いてて迫力ありました。

CAさんは色気ムンムン。機長をはじめ空港にいる男たちを惑わせていました。


宮田愛ちゃんのブライオニーは男勝りで、今まで見たブライオニー(加藤あゆ美さん、町真理子さん)の中で一番仕事ができそうでした。難しい裁判にも次々と勝って来た感じ。ベンが「ブライオニーが男だったら両親の自慢の息子になれた」と思ってしまうのもムリはないなと思いました。私も宮田ブライオニーが男だったら迷わずプロポーズするビックリマーク目がハート 『Gift』の場面では、ベンとエイミーをくっつけるために、夫のデイブをパシリとして完璧に操ってました。カッコいいラブラブ

愛ちゃん、ブライオニーだけでなく他の役でも宝塚の男役さんのような颯爽としたカッコよさがあって、スリムでスラリとした立ち姿やシャープなダンスに惚れ惚れしました。

特に『ラブ・ダイバー』は、小柄な山田祐里子さんと踊るところがまさに男役目がハート アンドロイドの山田さんをぞんざいに扱うような振り付けですが、さりげにリードが上手でした。

そして帶津翔太くん演じる男性型のアンドロイドと組んだ時は、帶津くんも背が高くてスタイルがいいので、2人に目が釘付けになりましたラブラブ

新キャストさんがわかった時に、愛ちゃんはエイミーのほうが合うんじゃないかと思いましたが、いやいや、愛ちゃんはブライオニーにピッタリでした。エイミーだったら他の役で愛ちゃんのダンス力を活かせないしね。


デイブ役のツェザリさん、起き抜けのボサボサ頭が本当にフライト明けっぽい。肩をすくめる仕草がナチュラルで、さすが欧米人だと思いました。

日本語、上手でした。前に『クレイジー・フォー・ユー』に出ていた時は短いセリフでも訛ってるなあと感じましたが、デイブはあまり違和感なかったです。

パイロット姿がカッコよくて、家ではブライオニーの尻に敷かれてるけど仕事場ではエリートなんだなと納得しました。外科医の友達がいるのも頷けます。


ロジャーの鈴本務さん。うーん、エイミーにアプローチする芝居がちょっと軽くて、「毛布がわりにしてもいいよ」というセリフの下のロジャーの優しさが感じられませんでした。あんた、そんなこと誰にでも言ってるんでしょ?と思ってしまいました。原作のロジャーっぽいのかな。


バイプレイヤーの熊川剣一さんは、スマートスピーカーのアンディが面白かったです。AIなのにキャラが立ってるニコニコ セリフとともにアンディのボディーのLEDが色を変えるように熊川さんも表情をくるくる変化させて、その表情が無機質なアンディ本体の顔にも反映されているようでした。まるで、『ライオンキング』の動物を演じる俳優さんとパペットの表情が一体化するみたいに。熊川さん、エドだもんねえ。

同じ枠の照沼大樹くんは歌がイマイチでしたが、熊川さんはさすがにうまかったです。照沼くんは影コーラスに助けられている感じでしたが、熊川さんはちゃんとベンとハーモニーがとれていました。

熊川さんは『アラジン』のアンサンブルで色々面白い小芝居をやっていますが、『ロボ庭』でも面白かったにっこり 飛行機の乗客は、自分の席の隣にサングラスに変なスーツの男がいるのにビビって、後ろにいたポラリス(アンドロイド)に「僕の席、ここ?」と尋ねるような芝居。ポラリスが頷いて「どうぞ」というように手を出して誘導すると、熊川さんはめっちゃビクビクしながら席に着いて、チラチラと隣を盗み見。サングラス男が気付いてじーっと見返して来たら、ますますビビって抱えたリュックの後ろに隠れようとしていました。


秋本みな子さんはさすがベテランでどの役もうまかったけど、ホテルカルフォルニアのマダムはちょっと品がありすぎるかな。菅本さんのたくましさすら感じさせられる下品ぷりが好きなので、ちょっとものたりなかったです。


アンドロイドダンサーは総入れ替えでした。

うーん、宮田愛ちゃんやバイプレイヤーさんたちも含めて、群舞にまとまりがないような気がしました。

特に『ラブ・ダイバー』。もちろんピッタリ揃う必要はないんでしょうけど、群舞としてまとまっていないというか。怠惰だけどパワフル、そして狂気をはらんだ危険な雰囲気が全体で作れていない気がしました。

目を引いたのは帶津翔太くんと山田祐里子さん。

帯津くんはスタイルいいビックリマーク ポラリスやホテルカルフォルニアのアンドロイドの衣装がよく似合ってました。帯津くん、『The Bridge〜歌の架け橋〜』で観ているはずなんですが、印象にないあせる こんなにカッコいいダンサーだったなんて目がハート

山田さんは小柄で丸顔でかわいかったラブラブ 特にポラリスラブラブ うちにも欲しいわー。ダンスもバレエで鍛えたしなやかさを存分に見せてくれました。『ラブ・ダイバー』のI字バランス(アラセゴンド)も綺麗に脚が上がってた。もう少し、挑発的なニュアンスがあったらよかったかな。

河上知輝くんがあまり目立つポジションでなくてもったいなかったです。日高彬文くんと逆だったらよかったのに。

日高くんのダンスにはまったく魅力を感じませんでした。今までいくつかの演目で日高くんを観て来たのに彼のダンスが印象に残っていなかったのは、魅力がないからなのね。踊れてはいるけど、渡邉寿宏くんのような表現力はまったくない。渡邉くんの枠に入ったから少しは期待していたのに、ガッカリでした。ポラリスもただニコニコしてるだけだったし。


前回公演では、斎藤洋一郎くんと組んでタングの左側を操っていた長野千紘ちゃん。

今回の公演から左側は男性俳優さんが担当して、女優さんはタングの右側とメインのセリフと歌を担当するようになったようです。

千紘ちゃんも今回はタングの右側。セリフをしゃべります。

生形理菜ちゃんのタングと同じく小さい男の子のイメージですが、ウブちゃんタングよりも幼い感じがしました。癇癪を起こすとウブちゃんよりヒステリック。ベンに水をかけられそうになって逃げ回るところは、上手袖から聞こえてくる「イヤー!」という声がほとんど悲鳴になってました。リジーの家のクッションに八つ当たりする時も「キーッ!」という感じで、ヒステリック。

『砂の街のカイル』の歌い出しの声の無垢な清らかさは前回のままでした。ウブちゃんもじょうずなんだけど、ここは千紘ちゃんの声のほうが心に響きます。

細かいところでウブちゃん組と芝居が違うのも面白かったです。

秋葉原で人にもみくちゃにされたあと、ウブちゃん組は目が回っているさまを「グラグラ…」というセリフで表していますが(そういえばこれ言うのがウブちゃんじゃなくて寛中くんになってた)、千紘ちゃん組は千紘ちゃんが「ハ、ハロー…ハロー…」とうわごとのようにつぶやいてました。ベンが思わず「ハ、ハロー?」と繰り返したのに笑いました。

ベンがエイミーとサヨナラの電話のあと泣き出した時の慰め方も違いました。涙を拭ってあげても泣き止まないベンに困って、少し考えたあと「ハッ!」と気付くタング。ハンカチを投げ捨て、ウブちゃんは「こちょこちょ、こちょこちょ♪」とベンをくすぐって笑わせようとするけど、千紘ちゃんは「♪ハローハロー」とメアちゃんのマネ。それでもベンが泣き止まないので、今度は後ろの柱のところに行って、柱にもたれながら「彼女、ひとり?」とベンのマネ(ウブちゃんはここで「♪ハローハロー」です)。そう来たか、と笑いました。

秋葉原のホテルでバスルームのベンにズボンを投げるのも、ウブちゃん組とは違いました。ウブちゃん組はウブちゃんが「あらよっと!」と言って投げますが、千紘ちゃん組は安田くんが「おりゃっ!」と気合の入った掛け声を上げます。直前まで千紘ちゃんのかわいい声で「ズボン、ズボン♪」とやっていたのに、急に野太い声になって面白かったですほんわか

千紘ちゃんのタングもかわいい目がハート やっぱり女優さんが幼い男の子として演じるほうが、しっくり来ます。

まだデビューしていない前田更紗さん&小原てつをさん組はどんなたんぐかな。早く観たいです。



鳥原ゆきみさんは、芝居が大げさになって来たようです。これってもしかして、岡村美南さんのエイミーと違和感を少なくするため? 鳥原さんと岡村さんは個性がまったく違うものね。だって、『ウィキッド』ではグリンダとエルファバだもん。

まだ岡村さんはエイミーデビューしていませんが、どんなふうに演じるか、とても興味深いです。

そういえば、自分を鼓舞するように胸を叩きながら歌う鼻歌が、初日は「おっおっおー」だったのに「ナー、ナー、ナー」になってました。

前回はエイミーのガラスのように張り詰めて脆い本質をとてもうまく演じていた鳥原さん。芝居が大げさになるのはいいけど、エイミーの繊細な部分が見えなくならないか、ちょっと心配です。



新キャストさんがデビューして、また変わっていきそうな『ロボ庭』。

次は5日に観る予定です。そして今週末はマチソワマチの予定。

7日以降のキャストが未定のようですが、まだデビューしていないキャストさんが来るのかな。その他のキャストさんは交代?

早く渡邉寿宏くんに戻って来てほしいです。




実は今、春劇場のロビーにいます。

『アナ雪』、まもなく開演です。