「水戸徳川家名宝展 ―花鳥風月―」(其の2)@水戸徳川ミュージアム

 

 

香之覚 徳川家康筆

上段は薫物に用いる練香 「千年菊方」の調製のための覚書き。

 

沈香、丁子、甲香、麝香などの香料を調合する 次第が記されている。

下段は香木に貼る香札を貼りこんである。

いずれも家康の自筆で、下段中央の香札には「東大寺」と書かれている。

これは蘭奢待の異名で、家康が蘭奢待を所持していたといわれる一つの根拠である。(水戸徳川家伝来の銘香壺には、家康御譲りの蘭奢待も納められている。)

 

 

三幅対  円山応挙筆

円山応挙 (1733-95)は現在の京都府生まれの江戸後期の絵師。

写実的な画風で知られ、現在も続く円山派 の祖。

6代治保の遺愛の品として伝来した。

㊨ 猫見鼠之図両欲執之図

障子越しに影を浮かべる鼠、それを捕らえようと睨みを きかせている猫。

㊥ 花籠牡丹蝶舞遊之図

花籠に紅白色鮮やかな牡丹が生けられ、そこに蝶が舞遊 する様子を描く。

㊧鶏家鴨卵雛貝水中遊驚図

鴨の雛が悠々と泳ぐ姿、それに驚き注視する一対の鶏。

 

 

 

赤楽茶碗  銘 「かすみ」  2代 光圀作  (江戸時代 17世紀)

光圀自作の赤楽茶碗で高台脇に光圀の花押が記されている。

淡い赤みの釉薬がかかった本品は「かすみ」と名付けられている。

現在確認されている茶碗の 中で光圀の自作の茶碗は本品のみ。

 

 

 

軍扇 梅松図 徳川家康所用

片面は青字に銀の日の丸を中央に描かれ、もう片方の面は赤地に金の日の丸、 梅と松を配している。

骨は10本あり、表裏 のコントラストが美しい軍扇。

家康の御譲り品として水戸徳川家に伝 わった軍扇は、本品を含めて4点。

 

 

 

采配(さいはい)徳川家康所用 桃山 江戸時代 (16-17 世紀)

采配は戦場で軍勢の指揮に用いられる武道具。

銀箔を捺した厚紙を細かく切った房、朱漆塗八角の柄には酢漿文 (カタバミ科の多年草を模ったハート形の文様)の金具と唐草文様の金銀象嵌が施されている。

家康の遺品として水戸徳川家初代頼房が受け継いだ品。

 

 

 

太刀 銘 「児手柏」  包永(かねなが)作

「太刀 児手柏」は水戸徳川家伝来の刀剣のなかで、宝刀の第一番目に記載されており、水戸徳川家の最も重要な刀で あった。

 

武庫刀纂總目錄 全23巻の卷之一 寶刀「兒手柏」

 

鎌倉時代の大和国(現在の奈良県)の手掻派 の刀工・包永作の太刀。

表は乱刃、裏は直刃 の珍しい刀剣で知られており、表裏の刃文が 異なる刀剣を児手柏と称するのはこの太刀 に由来する。

包永の銘を残して磨り上げ (刀剣の長さを詰めること)られた。

裏面に天正2年(1573) 銘。長69.6cm・反り2. 4cm

 

*水戸 家の当主の印として金扇馬標、日の丸軍 ともにこの太刀を受け継いできた、しかし大正12年(1923) 9月1日の関東大震災 で小梅邸において被災した。