「上田薫とリアルな絵画」展@茨城県近代美術館
10月26日~12月12日








1985年から1992年迄の7年間、茨城大学教授を務められた上田薫(1928~)さんは、玉子が殻から黄身と白身が落下する瞬間や、スプーンですくい取る様子をリアルに描く「スーパーリアリズム」の日本における第一人者として知られている。
美術の教科書に採り上げられる作家だから、茨大教授として着任されたことは驚きであり喜ばしいニュースだった。

当時は水戸芸術館の構想が進展中で、上田さんはじめ茨城大学の美術関係の先生方からのご意見も「現代美術ギャラリー」の構想に生かされた。

今展は4部で構成されている。
序章:上田薫―玉子に見るリアル



上田薫「なま玉子 B」 1976年 東京都現代美術館蔵



上田薫「玉子にスプーン B」1987年 茨城県立近代美術館蔵

殻から落ちるなま卵、スプーンですくいとられ、フライドエッグなどがクローズアップした大画面に描かれている。
落ちる瞬間、ナイフやホークの精密な描写。
油絵なのだが本物としか見えない。
写真を元に描いているのだが、イメージの通りの写真が撮れるまで何十もの卵を割り続けたらしい。
単に偶然の状況ではなく、全ての作品が狙って映され再構成されている。
画面のスプーンなどに作者自身や周囲の風景などが写り込んでいる作品も多い。


1章 いろんなリアル

本物そっくりに描くリアルリアルに描いた木下晋・磯江毅・諏訪毅などの作品。

*不思議なリアル

週刊誌「フォーカス」の表紙絵などを担当した三尾公三など、現実にはあり得ないリアルな世界は異次元の空間に。

2章 光のリアル
現代の様々な作家による光の表現。



伊庭靖子「Untitled」 2009年神奈川県立近代美術館蔵
クローズアップされた染付磁器とその反射光を描いた伊藤靖子。


第3章 上田薫のリアル
上田作品は時代ごとに変化した。



上田薫「あわ D」 1979年 個人蔵



上田薫「ジェリーにナイフ C」 1989年 日立市郷土博物館蔵



上田薫「サラダ E」2014年 個人蔵

代表的な卵シリーズに留まらず「あわ」「流れ」「サラダ」など、次々と新たなテーマを求め展開した作品が並ぶ。

 

●作品の写真は全て茨城県近代美術館のHPより。



茨城大学を退官されて相模原に転居し、近年に鎌倉に移り住んでいる。
2012年4月、鎌倉の鶴岡八幡宮を眼下に見る丘の上の住まいとアトリエを訪ねることが出来た。
アトリエを拝見したのち、竹林で有名な報国寺や旧華頂宮邸をご案内頂いたのも懐孟宗の竹林で有名な報国寺にご案内頂いた。




2011年に水戸芸術館で開催された「CAFE in Mito 2011 ― かかわりの色いろ」展に際しては自作を何点か寄贈された。
寄贈作品の前で、奥様の上田葉子さんと。
葉子さんはキルト作家としてNHKのテレビや手芸の雑誌に度々登場する。