『装苑』・『ハイファッション』などファッションやモードを主にしていた文化出版局が、性別や年齢にこだわることなく暮らしの中の美を求め、味わい深い人生に誘う趣味の雑誌として、昭和45(1970)年に『季刊 銀花』を創刊した。
グラフィックデザイナーの杉浦康平が構成した表紙は大小の文字と写真を縦横に配置し、どちらが表か裏かも判らない。
本文記事の内容が暗示されているよう感じなので、手にすれば思わず買いたくなるデザインだ。
年に4回の季刊誌で予約をしないと見逃してしまうことも。
始めて手にした「第12号・冬」は、黒田辰秋の朱塗りの鏡台がドンと一面を占めていた。
ページごとの構成に変化があり、パラパラとめくって眺めるだけでも楽しい。
広告も本文中には殆どなく、すっきりとしたレイアウト。
取り上げるテーマなどは陶器や布も骨董・民芸から現代作家まで幅広い。
詩や書物など文学に関する記事も多い。
蔵書票や限定本も作られた。
有名無名、真摯に向き合う人々が生みだす手仕事の素晴らしさや美しさを伝えている。
巻末の「萌芽帖」「書物雑記」も情報として有意義だった。
出版局が直営する「銀花ギャラ―」が赤坂に開店。
その後、新宿に移転したが作家の個展や誌上で取り上げた作品なども販売された。
趣旨に共鳴した地方の方々の自主経営による「〇〇銀花ギャラリー」も誕生した。
ギャラリーなどの黄金期だったかもしれない。
2000年頃から、モノを買わない断捨離的な生活になって「銀花」も手にしなくなっていたが、2010年2月の通巻161号をもって終刊になったと知った。
翌2011年3月11日に発生した「東日本大震災」及びこれに伴う福島第一原子力発電所事故による災害は日本が大転換せざるを得ない出来事だった。
しかし「グローバルスタンダード」と云う名の世界同一化が進行。
ネット社会は現実より仮想空間。
和の雰囲気・落ち着き・本物志向など、何が消えてもおかしくない時代となってしまった。
なんとなく残った5冊の「銀花」。
コロナ禍による暮らしは再発見や、時にはこれで?と自問自答。












