上田薫展@横須賀美術館
9月12日〜11月3日
NHK「日曜美術館」のアートシーンの中で、上田薫展が横須賀美術館で11月3日迄、開催されていると報じ作品などが紹介された。
初期から現在までの約80点、全貌を知ることが出来る展覧会だ。
92歳ながら元気に絵筆をとられている姿を拝見し、嬉しかった。
第1章「リアル」の前史
東京藝術大学卒業制作の《自画像》(1954年)から、初個展で発表した抽象絵画。
ポスターコンクール受賞作、自らの表現を模索していた1960年代終わり頃までの作品など。
第2章スタイルの確立
視覚でとらえたものを「ただひたすらリアルに描く」。
対象だけを画面いっぱいに拡大して描く上田流リアリズムの出発点で、1970年代前半までの作品。
第3章「時間」を描く
1970年代には、溶けかかるアイスクリームやスプーンから滴るジャムなどの動くもの、つまり現象を描くことへと関心が移り、移ろいゆくものの一瞬の姿をとらえる試みから、代表作の《なま玉子》シリーズが誕生した。
第4章「光」を描く
作品に「時間」という要素を取り込む構成に成功し、次のモティーフに泡やシャボン玉を選び、被膜に映りこんだ周囲の光景や自分自身の姿を克明に描いた。
透過や反射、屈曲といった光の性質への関心は、コップやビン、液体、川の流れといった新たなモティーフにつながっていく。
第5章 素描と版画
水彩画、パステル画、版画も多く手がけている。
第6章 そして現在へ
新たな表現を目指し、留まることを知らない。
先の奥様との間にお嬢さんがいる、とは聞いていたが、画家・イラストレーターであった。
*展覧会のHPなどからまとめたが、関連映像「上田薫 制作と語り」(2020年春〜夏)、ギャラリートーク「娘と妻が語る上田薫展」の2本がYouTubeにアップされている。
制作に関わる裏話が語られ、作品をより深く理解する手がかりで、その画面を映した画像も掲載。
●上田さんは1985年に茨城大学教授に着任し、92年に退任されるまで水戸に住まわれた。
その頃、水戸芸術館は開館に向けての準備が進行中で、森田義之さん・十河雅典さん等と共に「新たな美術館」についての討論など、地元の人たちとの交流も行われた。
自ら設計された常澄のお宅に伺い、お話を伺うこともあった。
奥様の葉子さん(今ではキルト作家の第一人者として活躍されている)は作家として歩み始めた頃で、それまでのキルトとは異なる斬新な作品に感心した。
茨大を退任後は、山野美容芸術短期大学教授として相模原に転居され、更に鎌倉に移られた。
1997年にフジテレビのギャラリーで開催された個展「流れ」のレセプションに草間弥生が参加していたことにビックリ。
2011年に水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催された「CAFE in Mito 2011 ― かかわりの色いろ」展に際しては自作を何点か寄贈された。
その時の自作前、奥様の葉子さんと。
2012年4月、鎌倉の鶴岡八幡宮を眼下に見る丘の上のアトリエを訪ねた。
2階のから大型のキャンバスを出し入れする空間など、ユニークでかつ眺めの良い住まいで、雑誌などにも紹介された。
竹林で有名な報国寺や旧華頂宮邸をご案内頂いたのも懐かしい思い出だ。
2014年7月7月20日~8月31日、水戸市立博物館で開催された「ふしぎ ふしぎ 超リアル! 上田薫のスーパーリアリズム」展
など、水戸を離れても水戸とのつながりは深い。
今回の展覧会は埼玉県立近代美術館との共同企画で、11月14日~2021年1月11日まで埼玉で開催される。










