「道草展 未知とともに歩む」@水戸芸術館現代美術ギャラリー

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ロイス・ワインバーガー

ワイルド・エンクロージャー

2020 自然発生する植生

 

『異常気象や環境汚染など、今日、人間の営みが環境に与える影響はその在り方を問われる重大な局面を迎え、政治や経済に対して積極的な対策を求める声が世界各地で上がっています。本展は、このような社会的意識の高まりを背景に、植物への関心やフィールドワークから生まれた現代美術作品を通して、人間がその環境とともに歩んできた道のりを考察する展覧会です。国内外のアーティスト6人が写真や映像などで「人と環境のつながり」人が環境と共に歩んだ道のりや今後を考える。』(展覧会のHPより)

 

 

 

ロイス・ワインバーガー

フィールドワークを通してみた植生にまつわる作品は、タイトルの「道草展」に相応しい。

日常の散策で、四季折々の雑草や庭木などは身近に感じる自然そのもの。

 

 

露口啓二のアイヌ文化の拠点であった川の流域の風景や福島の帰還困難地区をとらえた写真は、過去を遡り現在を考えることになる。

 

 

ロー・ヨクムイは香港生まれで、同地を拠点に活動している。

人間と植物も同じと考え、中国古典演劇のVTR作品は、世阿弥の『花伝書』の“秘すれば花”“死と生”を連想させる。

 

 

ミックスライスは韓国ソウルを拠点に活動するユニット。

《つたのクロニクル》は土地開発により移植された大樹が結果として枯れてしまった物語だ。

公園や街路樹など「植栽や移植したことで、自然環境が維持される」的な風潮に疑問を呈しているなら、共感できる。

 

 

 

 

ウリエル・オルロー

《ムティ(薬)》は、南アフリカの薬草療法にまつわる話。

日本や中国の薬草と同じなのだろうが、欧米の大資本による薬剤研究以外は薬として認めない。

ウイルス対策のワクチン、穀物の品種と種苗問題に繋がる諸問題と同根だ。

 

 

上村洋一のインスタレーション《息吹のなかで》

オホーツクの流氷が生み出す音と呼吸音、海中音、口笛などを合成したという音が流れる真っ暗闇の部屋。

ブラックライトを照らして壁面の文字を読む。

足元は砂が敷き詰められている、不安に満ちた奇妙な感覚。

その中で何らかの「息吹」を感じる、ということなのか。

 

何処にでも出現した「メガソーラー」は、環境破壊そのもので「エコエネルギー」とはとても思えないと度々感じさせられる。

地震大国日本での原発、核のゴミ処分の目途もなく再稼働をもくろむ。

環境をテーマとした写真やVTRでの展示は、現実に及ばない、と感じた。

しかし、環境に対する問題は沢山あって、それぞれを考える糸口になった。