『ふたつのオリンピック 東京1964/2020 』(角川書店・2018年)
ロバート・ホワイティング (著)、玉木 正之 (訳)
新型コロナウイルスが世界中に影響を及ぼしている。
今のところ茨城県内や水戸市内での発症例は無い様だが、時間の問題だろう。
図書館・美術館・博物館・交流会館などの公共機関が相次いで閉館。
通っていたスポーツジムも休業で行き場がない。
退屈だろうと察して、横浜在住の高校時代の友人Fさんから『ふたつのオリンピック 東京1964/2020 』分厚い本(592頁)が送られてきた。
著者のロバート・ホワイティングは1942年アメリカ生まれ。
1962年にアメリカ合衆国の空軍に入隊し来日。
「オリンピック東京大会・1964年」を控えた東京は大幅に改造中。
府中基地勤務のニュージャージー生まれの青年は、休日となれば、大都会東京の渋谷や新宿を彷徨し、東京を貪り食った。
年齢は自分より1歳下で東京に住み始めたのは2年後だが、ほぼ同じ。
同時代が描かれているので、当時の状況が目の前に浮かんでくる。
占領軍の兵士は地位も経済も比較にならないが、同じ所にも行っている。
「ガイジン」としての目からだが、その後、日本人を妻として日本で生活し『菊とバット』『和をもって日本となす』『東京アンダーワールド』など、日米の野球や裏社会に至るまで精通している。
ハッピーバレー、クラブ88、ニコラス・ピザ。
力道山と馬場と猪木。リキアパート、リキマンション、リキパレス。
長嶋、王、江夏、野茂に松井にイチロー。
政治、ヤクザ、風俗。
裏の話、裏社会の話。知っている人の知らない話など。
こんなこと書いても良いの、も沢山ある。
590頁にわたりエピソードが連なるが、途中で止め、途中から読み始めても文章全てが面白い。
著者の友人である玉木 正之が翻訳を担当、ある面で言えば共著と言っていいほどこなれた日本語と括弧内の説明や解説が的を得ている。
スポーツライター・コメンテーターとしてテレビで良く見る顔で、穏健で的確なコメントを聞き、どのような方なのか関心はあったが略歴や「訳者あとがき」を読んで納得した。
世界中に蔓延し、東京オリンピックの開催が危ぶまれそうな状況下、未だ半分程度しか目を通していないが、読了する頃には新型コロナウイルス禍が終焉していることを願いたい。






