「縄文―1万年の美の鼓動」展@東京国立博物館
2018年7月3日 ~ 9月2日

 

 

骨董古美術に入門した頃、「六古窯」と言われる中世の焼き物と縄文時代の土器。土偶・石器などに興味を持って集めた。

岡本太郎の『日本の伝統』を読み“縄文土器は世界に誇れる美である”との考えに共鳴したこと。
小学生の頃、近郊の畑で出土する縄文土器の破片や鏃を拾い集めた体験。
等によるが考古学的な興味から始まった。
その後、中学時代にトロイを発掘したシュリーマンの自伝『古代への情熱』にも憧れた。

開発に伴う発掘作業で遺跡の説明会などにも参加し、多様な出土品を見る機会も多くなった。


研究が進んで縄文時代の上限が遡り、1万年続いた縄文時代が、争いもなく文化的にかなり進歩していたことも分かってきた。
吉野ヶ里や三内丸山の遺跡は残念ながらどちらも訪れていない。

 

 

東博の「縄文展」(7月3日 ~ 9月2日)を7月24日に拝観し、再度と思いつつ会期は終了してしまったが、図録を参照に感想を述べる。

通常の展覧会で図録は買わないが、今回は見たこともない優品が多く購入することにした。

 

第1章.
「暮らしの美」暮らしの中で作られた、さまざまな道具の美しさ。

 

「縄文ポシェット」

 


木製の網籠が、中に木の実が入ったまま木炭化した状態でみつかった。

 

装身具。
髪を飾る櫛、耳飾りなど。

 

土製の耳飾り、耳たぶに着ける。今のピアス以上の大きな耳穴に、

 

第2章
「美のうねり」
火焔土器を含め、縄文土器は絶え間ない変化の連続。

 


自由自在の造形力。

 

縄文時代は女系社会、だったと言われる。
男は狩や採集に、女が土器を造り、煮炊きをした。


ダイナミックな造形が女性の手によった。

 

深鉢形土器(甲州市出土・中期、高さ83㎝)

 


深鉢形土器(甲州市出土・中期、高さ72㎝)

 

深鉢形土器(渋川市出土・中期、高さ75.5㎝)

 

深鉢形土器(竜ヶ崎市・出土、高さ79㎝)

 

何れも大きさや造形力など、すべての面で素晴らしい。

 

「描き出す美」
縄文時代の後期~晩期の北・東日本の縄文土器は基面を一度磨りけし、その上に文様を描き出す。
細部まで丁寧にデザインしてある。

 

縄文土器の中でも謎の多いのが土偶。

女性像が多いので出産に係る護符か。
或いは出産後の発育を願ったのか。

 

 

第3章
「縄文美の最たるもの」
として、火焔土器と土偶を取り上げている。


今回も何点かは展示されているが、國學院大學博物館で平成28年12月10日~平成29年2月5日に開催された信濃川流域で出土する「火焔型土器のデザインと機能」は見事な展覧会だった。


第5章

 


「祈りの美、祈りの形」ここでも女性の土偶。


安産や豊穣を祈るために用いられたと考えられる。

 


「縄文のビーナス」(茅野市出土、高さ27㎝)国宝土偶第1号。

 


合掌土偶(八戸市出土、高さ19.8㎝)是川縄文館所蔵


出産している姿のようだ。

 

八戸市の「是川縄文館」を2017年8月に訪問したが、これほどの質と量が伴った出土品は日本で一番と思った。

縄文時代に興味がある方必見の資料館と思う。

 

 

砲弾型乳房の土偶(那珂市出土)
(ポラロイド撮影の写真を複写、あらかたを推測して頂ければ)
何かの展覧会に出展される可能性あり。
と思っていたが、何十年経っても行方は分からず、再会したい幻の土偶。