こまつ座「円生と志ん生」@紀伊國屋サザンシアター

 

 

 

 

娯楽が多様化している時代だが、僕の小学生の頃はラジオ放送、少し遅れてテレビの時代となったにしても柳家金語楼・エノケン・ロッパの喜劇、広沢虎造の浪曲、幾らか長じて志ん生の落語などにも魅了された。

 

 

 

この芝居は「円生と志ん生」共に「昭和の名人」といわれた噺家の物語。

2人が満州慰問の途中で終戦を迎え、大連に六百日も押し留められたときの話で、詳しい資料が残っているわけではなさそうなのだが「井上ひさし」の脚本によって上演されることになった。

2005年の初演、07年の再演に引き続き、鵜山仁が演出 を手がけ、今回は大森博史(三遊亭円生)とラサール石井(古今亭志ん生)虚実交えながら描いた音楽喜劇。

 

 

 

主演の二人が正に「円生」と「志ん生」を彷彿させる。

今回の芝居で知っていたのは、ラサール石井だけと云う芝居音痴だったので

大森博史の「円生」は、このような役者を当てたと納得してしまった。

勿論、ラサール石井の「志ん生」も良く、2人のコンビぶりが楽しめた。

 

志ん生は円生よりも十歳年上で、酒飲みで若い頃から出来不出来にムラがあるという評判。

円生は普段、酒も煙草もやらず高座でも姿勢はきちんとしている真面目な人。

話しは分かりやすかったが、四角四面で面白みに欠けていた。

芸風がまるで違えば性格も対称的な二人。

努力家タイプと天才肌という、よくあるコンビである。

だが、円生は常に志ん生を「兄さん」として立てて、助けていた。

 

 

大空ゆうひ、前田亜季、太田緑ロランス、池谷のぶえ、の4人の女優陣は、1人で何役もこなす大活躍だったが、歌って踊って、さすが舞台女優だ。

 

劇は「朴勝哲」の生のピアノ演奏で進行するが、こまつ座の芝居に何度も出演しているらしく息はピッタリ。

 

更に、ブロードウェイのミュージカルの曲も使われ、ダンスも唄も様になって楽しかった。

 

「町はずれの廃屋」、喫茶店の「コロンバン」、最後の「修道院のもの干場」

等、後半部分が特に良かった。

 

幕間を挟んで約3時間、楽しい時間を過ごさせてもらった。

勿論、戦中戦後の話で、重く考えさせられる部分もありました。

 

この機会を与えてくれたこ「まつ座」制作の長山 泰久さん有難うございました。