♫天城超え♫
伊豆の踊子」を辿る 其の4
修善寺温泉を発って、今回の旅の主題である「天城峠」に向かう。
川端康成の名作『伊豆の踊子』の舞台を確かめに。
とは言え、短編の小説なのに読んだことが無く、冒頭の『道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思う頃、雨脚が杉の密林を白く染めながら、すさまじい早さで麓から私を追って来た。私は二十歳、高等学校の制帽をかぶり、紺飛白の着物に袴をはき、学生カバンを肩にかけていた。一人伊豆の旅に出てから四日目のことだった。修善寺温泉に一夜泊り、湯ケ島温泉に二夜泊り、そして朴歯の高下駄で天城を登って来たのだった。…』を見たか読んだか。
今回、旅に出るにあたって新潮文庫を購入して読み、旅に携行して電車の中で読んだり、の程度だから心もとないが、同行のお二人も似たようなコトらしい。
映画化も何度もされているが、どれも観たことが無いし、テレビドラマも見ていない。
『伊豆の踊子』では、『最初は私が湯ケ島へ来る途中、修善寺へ行く彼女たちと湯川橋の近くで出会った。その時は若い女は三人だったが、踊子は太鼓を提げてゐた。私は振り返り振り返り眺めて、旅情が自分の身についたと思った』
の湯川橋は伊豆箱根鉄道・修善寺駅の近くだが修善寺IC付近から国道139・下田街道に入り湯ヶ島方面に向かったのでパス。
湯ヶ島には川端が宿泊し、気に入って毎年のように訪れた「湯本館」も在るが、ここも旧道沿いなのでパスした。
『伊豆の踊子』では『…湯ケ島の二日目の夜、宿屋へ流して来た。踊子が玄関の板敷で踊るのを、私は梯子段の中途に腰を下して一心に見ていた。―』、
湯ヶ島温泉を過ぎて上り坂になり、右側に大きな駐車場に「浄蓮の滝」の案内。
石川さゆりが1986年に発売した『天城越え』の歌詞の一節。
♪隠しきれない移り香が、いつしかあなたに浸みついた。
誰かに盗られるくらいなら、あなたを殺していいですか
寝乱れて隠れ宿、九十九折り、浄蓮の滝、舞い上がり 揺れ墜ちる。♪
第28回日本レコード大賞・金賞受賞曲で作詞・吉岡治、作曲・弦哲也。
発端は静岡県・伊豆半島の天城山を舞台にしたご当地ソングとも言われる。
多くの歌手がカヴァーしているが、音楽に詳しいFさんは中森明菜など20人のカヴァーを編集したCDを制作。
修善寺~湯ヶ島~天城峠までカーステレオから流し続けた。
「浄蓮の滝」は、つづら折りの崖下に在る。
歌詞そのままの景色だが、この風景からから演歌の情念の世界を発想するのは、さすがプロならではの技。




