荒木経惟「写狂老人A 76齢」を観て、2014年10月22日から12月25日まで
銀座の資生堂ギャラリーで開催された「荒木経惟 往生写集-東ノ空・PARADISE」を思い出した。
タイトルの「往生写集」は、平安時代の僧侶・源信が著した仏教書『往生要集』(985年)から想を得た荒木の造語。
源信は多くの仏教の経典や論書などから、極楽往生に関する要文を集め、死後に極楽往生するためには一心に仏を想い、念仏を唱えることが大切と説いた。のちにその教えは、我が国の浄土思想の基礎となったと言われる。
このタイトルや写真集の中にもしばしば登場するが、荒木経惟の「書」は写真と同様に魅力的だ。
「東ノ空」は、東日本大震災後、亡くなった方への鎮魂を願うと同時に、被災地の復活を祈りながら、彼が毎朝自宅の屋上から撮り続けている作品。
「PARADISE」は、一見暗闇の中に色鮮やかな花が咲き誇っているかのようだが、実は、朽ちかけた花と人形を写した生と死の物語。
「花は死の一歩手前が最も官能的」と語る荒木が、移ろいゆく花の姿を人の生命にたとえ、はかなさゆえの愛しさや、かけがえのなさを捉えた作品。
資生堂ギャラリーの地下の吹き抜けに展開した「生と死と再生」。
ほぼすべてが、撮影可であったのは嬉しい。
多くの展覧会、著作権に関連するとかで撮影が禁じられているが、営業に使うことでもなければ撮影が自由は、世の中の流れのように思う。




