「黄金のアフガニスタン」@東京国立博物館 表慶館
東京国立博物館で黄金のアフガニスタン-守り抜かれたシルクロードの秘宝-」展が開催されている。
アフガニスタンは中東・中央アジアに位置する内陸国でパキスタンが南及び東に、西にイラン、北にタジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、国の東端は中華人民共和国に接する。
先史時代からイラン高原やメソポタミアの諸文化と早くからつながりがあり、インダス文明とも交流があったが、国境を接する他民族から侵略を受けてきた。近年はソ連軍の侵攻・撤退、タリバン政権の樹立、タリバンによるバーミヤン渓谷の文化財破壊、タリバン崩壊後の共和国発足と政治不安や紛争が続いている。
不安定な国内情勢は文化財の焼失や略奪の危機に瀕したが、一部の秘宝は博物館員たちが秘密裏に中央銀行の地下金庫に隠された。
タリバン政権崩壊後、古代アフガニスタンの秘宝は眠りから覚めた。
今回の展覧会はその内の231点と、日本で「文化財難民」として保護されていた15点が出展されている。
第1章 テペ・フロール
メソポタミアとインダスの間の文明。
アフガニスタンの北東部、紀元前2100~前2000年頃の青銅器時代の遺跡から、
金銀器を副葬した墓地の一部が発掘された。
幾何学文脚付杯 直径9.9cm
金製で中央アジアの青銅器時代に特徴的なゴブレット(脚台付の杯)。
第2章 アイ・ハヌム
前4世紀、マケドニアのアレクサンドロス大王は東方に遠征し、アフガニスタンの地に。その後、前300年頃にアフガニスタン北部に作られたギリシア人の植民都市がアイ・ハヌム。
アクロポリスと2本の川で囲まれた要害の地に、神殿、宮殿、体育場、半円形の劇場などが築かれ、見事なギリシアの都市が建造された。
コリント式の柱頭を用いた建築、ギリシア語碑文、ギリシアの神々の像が出土し、まさに東方に花開いたヘレニズム文化。
*バクトリア地方と呼ばれているが,2007年国境を接するウズベキスタン・タジクスタンを訪れ、ソグド人のペンジケントの遺跡に立ったことを思い出した。
キュベーレ女神円盤前3世紀 直径25.0cm 銀、鍍金
大きな冠をつけたキュベーレが有翼の女神ニケを従えて、2頭の獅子が引く戦車に乗る。
第3章 ティリヤ・テペ
地元の言葉で「金の丘」を意味するティリヤ・テペ。
6基の墓に埋葬されていたのは女性5人と男性1人で、副葬された愛用品や身に着けていた装身具、衣服にちりばめられた装飾品には金やトルコ石がふんだんに用いられ、「バクトリアの黄金」と称されるにふさわしい輝きを放っている。
ドラゴン人物文ペンダント 1世紀第2四半期 12.5×6.5cm
金、トルコ石、ラピスラズリ、ガーネット、カーネリアン、真珠
第4章 べグラム
ベグラムは首都カブールの北約70km、海抜1600mの高地にある都市遺跡。
1~3世紀に中央アジアから北インドを支配したクシャーン朝の夏の都。
ローマやエジプトなど地中海世界のガラスや青銅、石膏製品、インドの象牙製品、また中国の漆器などが大量に発見され、大きな注目を集めた。
ギリシア・ローマの神々やインドの女神像、色鮮やかなガラス製品などは、 シルクロードを経由した東西交易がさかんだったことを物語る。
マカラの上に立つ女性像 1世紀 高さ45.6cm 象牙
豊満な体つきで体をくねらせたなまめかしい姿の女性。
インドの象牙は古代社会で大変に珍重され、ベグラムからは数百点にのぼる象牙製品が出土した。インドの象牙はローマへも輸出されていた。
脚付彩絵杯 1世紀 高さ12.6cm 直径8.0cmガラス
第5章 アフガニスタン流出文化財【特別出品】
国内が混乱を極めていたさなか、カブールの国立博物館や国内各地の遺跡から多数の文化財が略奪され、不法に国外に持ち出された。
その一部はわが国にも運ばれたが、本展覧会を契機にアフガニスタンへ返還されることになった102件の文化財のうち15件を特別出品。
ゼウス神像左足断片・前3世紀。








