『中国陶磁うつくし』矢島律子×佐藤サアラ×川島公之

 
 

「東京 アート アンティーク2016」の関連企画の目玉の一つが、コートヤード・バイ・マリオット 東京ステーション(中央区京橋2-1-3、京橋トラストタワー4階)で開催された『中国陶磁うつくし』と題した座談会。

 

 

4階のコンベンションルームは開場の18:00と同時に満席となったほどの人気。

 
 

町田市立博物館学芸員の矢島律子さんと常盤山文庫主任学芸員の佐藤サアラさん2人の女性学芸員が「中国陶磁うつくし」と題して、中国陶磁の美しさの秘密、日本人と中国陶磁との関係などについて話した。

 

 

司会は繭山龍泉堂の川島公之さんで、パワーポイントを使いながら説明した。

 

3人とも日本の中国陶磁の専門家だ。

 
 

 

矢島律子さんは町田市立博物館で開催中の『常盤山文庫と町田市立博物館が語る中国陶磁うつくし』(5月8日まで)の内容を説明した。

 

I章「冥界の夢―俑と明器」、

 

 

 

加彩仕女 前漢 前3-2世紀 町田市博物館

 

II章「色彩の覚醒―白磁と三彩」、

 

III章「湖水の色、天空の色―青磁の完成」、

IV章「広がる美―多彩な展開」

 

なるべく天然の光りで観ることが出来るような展示空間にしたとのこと。

磁器などは光によってかなり異なる色となる、この拘りに敬意。

 

町田市博物館の立地は良くないが、展覧会を観る価値は充分あるので是非お出かけ下さいとPR。

会期中、白洲正子の「武相荘」見学をかね御伺いしたいと思った。

 

常盤山文庫主任学芸員の佐藤サアラさんは、先ず「常盤山文庫」について説明。

実業家である菅原通濟(1894-1981)の蒐集を母体としたコレクションで所蔵品は禅僧の墨蹟、中世水墨画、宋代の工芸品、天神画像を四つの柱とし、現在国宝2点、重要文化財23点、重要美術品18点を含んでいる。

 

着物姿でテレビに出演していた菅原通濟は憶えていたが、このようなコレクションが有ったとは知らなかった。父親の代に始まったらしく、現在は息子さんが財団の理事長とのこと。

「常盤山文庫」はコレクションだけで、展示施設は持っていないとのことだから、知られていないのは当然ともいえる。

しかし、国宝2点、重要文化財23点に上る収蔵品は素晴らしい。

 

日本人が独自の感性で育んできた中国磁器に対する感性。

シャープすぎない暖かで柔らかな磁器を好む感性。

特に、米色青磁は独特。


 

米色青磁瓶 南宋(12から13世紀) 常盤山文庫所蔵

 

誰しも好むであろう「汝窯」についてはかなりの時間を費やした。

 
 

町田の展覧会には出陳されていないが、青磁盤 汝窯 北宋時代・1112世紀(香取國臣・芳子氏寄贈)

この作品は、日本人がまだ故宮コレクションの汝窯青磁についてよく知らなかった1950年代に日本で見いだされたもの。

川端康成旧蔵として知られていたが、大分以前に所有者は変っていたらしい。

最近、「東京国立博物館」に寄贈され話題を呼んだ。

 

中国陶磁大好きのお三方の話は尽きず、1時間の予定が30分延長されたが名残惜しく散会となった。