世田谷美術館での松本瑠樹ポスターコレクション「ユートピアを求めて」と塩田岩治の「北大路魯山人」、それぞれの蒐集家の展覧会を観て“散逸しないコレクション”はそれなりの後継者、或いは公的な美術館や博物館に寄贈するべきと感じた。
この感激を如何にせんと10月20日に再開された「かんだやぶそば」に行くことを考えたが、ニュース番組で放送されたばかり、1時間以上を待つ覚悟ならば、赤坂の「室町砂場」がより適切と考えた。
暫く行っていないので、いくらか遠回りしたが到達出来た。
赤坂近辺の再開発によって多くの店がビルになってしまったが、室町砂場 赤坂店は健在でした。
昔ながらの薄暗い雰囲気の中に燈火が一つ、という感じ。
江戸の情緒であろう、店員さん達の迎え付けと案内は変わらない。
待たずに奥の小上がりの窓ぎわに座席を占めた。
窓の障子の桟の綺麗さに感激。
カウンターや目につくところは毎日掃除することは当然だろうが、障子の桟まで磨き上げてある。
しかも、木目が密な上質な杉か檜木。
これだけで、充分の価値がある。
昔からの、時代を感じる看板。
酒は「菊正」の常温は白磁の徳利で、ちゃんと袴に入ってます。
老舗は何故か「菊正」が多い、やっぱり、これですね。
チョコはガラス。
突出しは浅利、青磁の小皿に。
先ずは鶏卵焼、美味しくて、写真撮り忘れました。
「ねぎ焼き」は呉須赤絵の角皿に。
「わさびかまぼこ」、は「風月花」の藍染の角皿。
何れも、魯山人が使いそうな器だ。
これも、何かの縁か、と思った。
〆に「ざる」を一枚。
老舗たるは、変わらぬ味・心からのおもてなし・しかも、お値段は極めて安い。
これも、多くの客があるからこそなできるのだろう。
余りの嬉しさに、吉行淳之介の話を店の方に語りかけたり、田舎者丸出しでご迷惑をかけました。
このよう店が、永遠に続くことを願わずにはいられません。






