「シェ・ジャニー」に行こう。 P7010159_20140719180439132.jpg 渋谷区神南の住宅街に、春田光治さんがフランス料理店「シェ・ジャニー」が開業したのは1969年。 実家が所有していたアパートを改装した小さなレストランだった。 フランスと縁の深いモロッコ料理・ベトナム料理など、当時の日本で初登場の料理は大人気を博し、連日、予約で満席という状況が続いた。 今では、中華屋さんから居酒屋さんの突出まで、夏の定番メニュー「ラタトゥイユ」(ニース風野菜煮込み)を始めてメニューに載せたのも、春田さんだ。 開業して約15年、料理を頭で味わう人達が多くなったことを嫌気したオーナーシェフの春田光治さんは、1985年渋谷の地を離れ安比高原に移住した。 グルメブームに背を向けた男と僕は思っている。 その後の約10年間は、スキー、釣りや狩猟など趣味の世界を楽しんだ。 料理は、家族と友人のため、毎日の三食を真剣に取り組んだ。 全ての事に妥協しない性格だ。 余りにも早い隠棲生活入りを惜しんだ友人の助言や、昔の常連さんの要望もあって1997年自宅の一部を改装し「シェ・ジャーニー」の営業を再開した。 P7010174.jpg P7010173.jpg 5日前迄の予約制で、自分の食べたい料理などの希望を伝え、メニューなどを相談して決める。 戦中戦後の耐乏生活に生まれ育ったから、今の世は、かっての王侯貴族さえも出来なかったほどの豊かな暮らしにあふれている。 食べ物に関しても、 料理番組のエンターテイメント、バラエテー化。 廉価の飲食チエーンによる均一化。 町おこし村おこしのB級グルメブーム。 ラーメン、カレー、蕎麦などの食べ歩き。 高級店でも、白磁一色の単純な器のオンパレード。 高級食材をこれでもかと使い過ぎた豪華料理。 等々、感じることは沢山ある。 しかし、自分なりの物差しを得ておくことは必要だ。 「シェ・ジャーニー」春田さんの料理は、 料理の基本に忠実で、今風の奇をてらった器使いや料理は出さない。 厳選した素材と、原価率が高い(売値のかなりが材料費で利益は少なくなる)料理は健康食で、なおかつ美味しい。 素材や香辛料、作り方まで、隠さずに全てを教えてくれる。 「当店、秘伝のレシピ」などの野暮なことは絶対に言わない。 店の内外も飾り過ぎずにシンプルに。 料理はコンサートなどと同じ時間の流れを楽しむことでもあり、次なる料理とのタイミングや取り合わせ。 食の重要性を考え,味と見た目の調和。 全ての面で、一つの基準となりうる。 美味しい料理をお腹いっぱい味わってほしい。との信念は変わらない。 何処から行くにしても、安比高原「シェ・ジャーニー」への道は近くはないが 時には「シェ・ジャニー」に行くことをお勧めしたい。