女性が私に気づいた。そして、笑顔で駆け寄ってきた。
『なんや、普通のおじさんじゃないの』
ちゃこさんが私に放った第一声が、これだった。
『へえ、どんな想像をしていたの』
と私。
『賢そうな研究者タイプ』
ちゃこさんはそう答えて、残念そうな顔つきをした。
『悪かったね、期待に添えなくて』
そう応じた私に不快感はなかった。むしろ、初対面でこんな会話を交わせたことに満足を覚えたほどだった。
私は、五十歳を超えても、天真爛漫さを失わないちゃこさんの性格を清々しく感じた。同時に、半年余りのウェブサイト上の付き合いが、うわべばかりでなかったことを嬉しく思った。