マンモと超音波を終えて待合室で診察を待つ。部屋の一角にはウィッグの見本が飾ってある。



「ひぇー、ウィッグとかやらなきゃならない人、大変だわー。」



この時は他人事。まさか自分がウィッグのお世話になるなんてねー。



取り敢えず本でも読むか、って、本棚周りには乳がんに関する本がいくつも置いてある。



「ぎゃ、めっちゃヘビー。」



そう思ってましたよ、私も。

しかも、読んでた絵本的なやつ、最後にお母さんが遺影だし…

「やめてちょーだい。」



診察室に呼ばれて入ると、私より若いかな?くらいのイケメソ医師。

「しこりがありますねー。このしこりがどういうものか、針生検しようと思うのですが…」

これも私のシナリオ通りだったので

「はい、お願いします!」と即答、診察台に横になり左乳に麻酔を打ち、ズキュン!ズキュン!と数発針生検で中身を採取する。イケメソ医師は小声で「ん…5cmか…」と呟く。



「検査の結果は年明けです。」と言われる。



「マンモや超音波見て特に悪い事言われないし、針生検の結果で「乳腺症です」で終わるな、これは。」と信じて疑わなかった。