電車の長椅子、端の席、この席を好む人は多いようだが、私は好まない。
むしろ、この席には、できれば座りたくないと思っている。
その理由はたったひとつ、椅子の手すりに背をもたせ、ドア横に立つ人もまた多く、その存在がうっとうしくて仕方がないからである。
端の席でなければ、そうされることもなく、たとえ両隣に座っているとしても、そこまでのうっとうしさは感じずにすむ。
私はそう思っているのだが、日本人の端好きといったら、驚くばかりである。
特に女性には、端好きが多いように思う。
片隣には確実に人が座らない、すなわち片隣には何も気を遣わなくていいという安心感だろうか。
それとも、自由感、開放感?
隣に立たれ、寄りかかられた時の方が、よほどそれらを失うと思うのだが、どんなものだろう。
ああ、なるほど、自分が手すりにもたれて寝たいのかもしれないけれど。
電車の中で熟睡する不用心さもまた、日本人特有のものである。
電車が来て、ドアが開いて、皆が端の席を目指して突進するのを尻目に、私は中を目指す。
そして、誰が何と言おうと、一駅でも座ることにしている。
途中で何が起こるか分からないから。
