私は本屋が好きだ。

時間があると、何を買うでもなく、ふらっと立ち寄りたくなる。

すると、足は自ずと、今の自分が興味を持っている分野の方へ向く。

何年か前だと、私の足はカメラ雑誌に向かっていたが、今の私はそこをスルーして、着物雑誌や断捨離などの実用書へ向かう。

実際、自宅の本棚を断捨離した時も、私はカメラ関係の本をずいぶんと処分した。

カメラをやめたわけでもなければ、興味がなくなったわけでもない。

マニュアル本はもう必要ないというところまで来たのだろう。

だからといって、腕が上がったということでは決してなく、所詮素人の趣味なのだから、撮りたいように撮ればいいという気楽さが身に付いただけだ。

さて、今日久しぶりに本屋に入った私は、辞典の方へ向かった。

春は様々な辞典が積み上げられており、その向こうに広がる新しい空気を感じて、どこか新鮮な気持ちになる。

学びの気に触れた私は、そのまま資格分野の方へと向かった。

そして、ファイナンシャルプランナーのテキストの前で、私の足は止まった。

「あ、やっぱりこれなんだ」

と私は改めて再認識した。

今の私が興味を持っているもの、それはお金である。

確かに私は、預貯金、税金、年金、世の中のお金がどういうふうに回っているのか、その仕組みを知りたいという思いを強くしていた。

だから、この本の前で止まったのは、我ながら頷ける結果であった。

私はあくまでもその欲望を満たすためのツールとして、FPテキストを手に取った。

ページをめくるほどに、人生において必要な知識ばかりが書かれているのが分かる。

立ち読みでは到底キリがなく、私は買って帰ることにした。

ちょうど3年前、小説を断捨離した時に、通勤電車内読書も断捨離した私だが、隣の席で本を読んでいる人を見ると、やっぱり本っていいな、とどこかで思っていた。

そんな、知らず知らずのうちに芽生えていた本に対する思いも、購入を後押ししたのかもしれない。

荷物がちょっと重くなるけど、また持ち歩いてみようかな……。

そんなことをつらつらと考えつつ、まずはしおりとして、彼の写真を仕込んだ。

10年位前の彼の真剣な表情……ホント、かっこええわ。

この写真なら、何時間でも眺めていられる。

……って、FP資格取得を目指しているわけではないので、はなから気長に読み進めるつもりではあるが、これでは気が散って、当分読み終わりそうにない。