短文事例問題の分類

 

各予備校、各講師が短文事例問題の有用性を説いているが、意味合いが各講師ごとに違うのではないかと考えていた。

 

そこで、各予備校のテキスト、予備校講師の発言等を元に短文事例問題を分類してみた。

(後日、私なりの各予備校オッズを書きたいと思っているのだが、その前提として短文事例を取り上げたい。)

 

 

大雑把に言うと以下の6分類である。

 

 

1、 論点以前の問題で法適用すれば終わり

  このタイプが一番簡単な問題になると思われる。法を適用すれば終わりの問題

 であり、論点が存在しない。

  実務の多くがこのタイプであるが、私が調べた限り、予備校の問題集では資格

 スクエア導入問しか該当するものがないと思う。

  ただ、この導入問は資格スクエア7期からほぼ廃止された(各科目数問になった

   らしい。)と聞くので今後消えていくかもしれない。

 

 

 

2、 単一論点で論証書けば終わり

 

 

  文章の長さで言えば論証集に掲載されている論証を問題文に当てはめて終わりと

 いう印象。資格スクエアや吉野勲講師は総じてこの意味で「短文事例」と発言して

 いると思われる。

  また、伊藤塾呉講師の呉シリーズの論証部分をドリルとして使用した場合もこの

 意味になると思われる。

 (呉先生が講義の中でオススメ使用方法として紹介している。)

  講座としては資格スクエアの基礎問題演習BEXA吉野勲短文事例講座が該当す 

 る。

  講座の趣旨としては予備過去問を検討する前で、インプットとアウトプットの隙

 間を埋める講義という位置づけ

  なお、吉野勲短文事例については吉野講師作成答案でない点に注意を要する。 

 (合格者作成)

 

 

 

 

 

3、 複数論点だが、同一分野の論点の組み合わせで捻りがなく、分野横断ではない

   この意味で短文事例を扱っているのは私が知る限り、加藤ゼミナール基礎問題演

  習しかない。

   実は加藤ゼミナールで言う「短文事例」とは上記2と3の意味で言っていると思

   うのだが、どちらかというと3寄りの意味かと思う。

  他の講座と比較すると、論証書いて終わりではなく、あてはめが本試験でも使え

   そうなフルスケールの記述であり、

    問題も本試験や予備試験の問題を元に分野横断の部分や応用部分(捻り部分)を

    カットしている点である。

  分野横断でない点、1論点だけでなく同時に問題となり得る同一分野の論点を組

   み合わせた問題を扱っており、貴重な講義だと思う。加藤先生が問題、解答を作成

   している点も大きい。

 

 

 

4、 複数論点で捻りがないが、分野横断の問題

   この意味で使っているのはアガルートの重要問題修得講座(通称重問)である。

   分野横断であるので3の意味よりは応用的であるが、捻りがないので予備過去問

   や旧試験よりは易しいという位置づけ

  ただ分野横断であるので基礎講座を受けている段階で解くにはあまり向かない

  知り合いの昨年度社会人予備合格者も重問に挫折したという話を聞く。

 

 

 

 

5、 複数論点で分野横断かつ捻りがある(旧試験過去問、ロー入試、予備過去問等)

   旧来的な意味はこの5の「短文事例」である。多くの予備校の短文事例講座がこ

    の意味に該当する。

   有名どころでいえば、伊藤塾の論文マスター(ほぼ全問が旧試験過去問と予備過

    去問)であり、LECの合格答案作成講座もこの意味であると思う。

   多くの受験生が基礎講座を受けた後にいきなりこのレベルを受けるので挫折者が

   多い印象。

 

 

 

6、 複数論点で分野横断かつ捻りがあり、最先端議論も含んだもの

   所謂「学者本」と言われる分類である。有名どころで言えば、事例研究行政法、

   刑法事例演習教材だろうか。

  正直、このレベルまで解く時間的余裕はないだろう。

 

 

私が考えるに上記6つの分類に分けることが出来、各予備校各講師が無自覚で「短文事例」という言葉を発しているが故に受験生が混乱しているように思う。

 


 

 

 

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