シンプル・プラン
劇場公開日
1999年9月18日
舞台は、アメリカの雪深い田舎町だ。
飼料店に勤める「ハンク(ビル・パクストン)」は、薄給に苦しみながらも妊娠中の妻「サラ(ブリジット・フォンダ)」のために黙々と働いていた。大みそか、失業中の独身中年男の兄「ジェイコブ(ビリー・ボブ・ソーントン)」とその悪友の肥満漢「ルー(ブレント・ブリスコー)」に父親の墓参りに連れ出された「ハンク」は、その帰り道、偶然入った森の中で墜落したセスナ機を発見するのだ。
機内にはパイロットの死体と、なんと”440万ドル(約5億円)”もの大金があった。「ジェイコブ」と「ルー」は、これが犯罪がらみの金だと決めつけて着服しようと持ちかけるのだ。最初は反対した「ハンク」も結局同意する。最初は混乱した「サラ」も出産後の生活苦を考えて、着服プランに積極的に関わるのだ。
「サラ」の提案で、「ジェイコブ」を誘って金の一部を森に戻しに出向いた「ハンク」だが、狩りのため森に行こうとした近所の老人「ドワイト(ジャック・ウォルシュ)」を、動揺した「ジェイコブ」がバールで打ちすえてしまう。「ハンク」は「ジェイコブ」をなだめ、息を吹き返した彼の息の根を止めて事故死に見せかける工作をした。こうして辻棲あわせのウソが始まった。
さらに、借金まみれの「ルー」が金をよこせとふたりを脅迫する。「ハンク」と「ジェイコブ」は、いきがかりで彼とその妻「ナンシー(ベッキー・アン・ベイカー)」を殺してしまった。正当防衛が認められ罪には問われなかった。だが、「ジェイコブ」は良心の呵責に苦しみ出すのだ。
やがて、保安官「カール」から兄弟に呼び出しがかかる。FBIの「バクスター」と名乗る捜査官が来て、かつてこの付近で誘拐事件の身代金を乗せたまま消息を絶ったセスナ機について情報を欲しいというのだった。FBI捜査官の正体に、なんとなく不審を覚えた「サラ」は、バクスターが誘拐犯人のひとりということを突き止めてハンクに連絡した。そして、身を守るため、彼はすきをみて保安官の銃を盗んだ。
森の中のセスナ機の前で、「バクスター」は保安官を殺すが、「ハンク」に倒された。それを見ていた「ジェイコブ」は、なんと「ハンク」に自分も殺して全ての始末をつけてくれと懇願する。兄としての最後の頼みだと迫る彼をハンクは泣きながら射殺した--
犯罪の結末は、幸福をもたらさない。さて、このような情況に遭遇した場合、あなたならどうしますか?
本作は、犯罪映画の名品と云われる。