あの空をおぼえてる
劇場公開日
2008年4月26日
ストーリー
舞台は、山に囲まれた地方都市。
写真館を営む「深沢雅仁(竹野内豊)」は、身重の妻の「慶子(水野美紀)」と二人の子供たちに恵まれて、大自然の中、幸福な日々を過ごしていた。
「雅仁」が建てたアメリカン・ハウスには、彼が撮影した家族たちの写真があちこちに飾られていた。
しかし、そんな家族の幸せも唐突に崩れるのだ。
あろうことか、その兄弟が交通事故に遭遇したのだ。
小学4年生の「英治(広田亮平)」と幼稚園児の「絵里奈(吉田里琴)」は二人で買いものに出かけていた。
兄弟は、生死の境をさまよいながらも、なんとか英治だけは一命を取り留めるのだ。
だが、幼い絵里奈は息を引き取った。
「雅仁」は、子供たちだけで外出させたことを悔いていた。
そして妻「慶子」は、泣き続けるのだ。
一方、病院で意識を取り戻した「英治」は、妹が還らぬ人になっていることに心を痛めた。
やがて、身体の傷が癒えた彼はようやく退院の日を迎える。
そして、大好きだった小学校に復学した彼は、担任の「ユリコ先生(小池栄子)」やカウンセラーの「福田(小日向文世)」と再会を喜びあうのだ。
彼は、事故の直後の、”空中を浮遊する不思議な体験”を語ろうとする。
同級生たちは、「英治」の体験を興味深く聞いた。
そして、彼と川沿いのトンネルに向かうのだ。
そのトンネルは、英治と絵里奈が交通事故に遭遇した場所にあった。
健気に振るまう「英治」の姿を眺めて、母「慶子」は少しずつ悲しみの淵から立ちあがろうとするのだ。
しかし、いまだに父親「雅仁」は、娘「絵里奈」の死を受け入れることができずにいた。
翌日、息子が登校していないという担任からの連絡を受けた彼は、英治が綴った妹への手紙の束を見つけた。
そこに記された妹「絵里奈」への思いを読み、息子の悲しみを汲み取れなかった自身のいたらなさに
父の「雅仁」は初めて気がついた。
英治の行方を探して、再会する父と息子。
そして彼らは、ようやく心の重荷から解放されるのだ--