でもぼくら家族に実家はもうない

 

なので、おやじの墓のある東京は府中市の小さなお寺近くにあるスーパーサエキに午後12時4人で待ち合わせ

片隅にあるちいさないくつかのテーブルとイス

 

昭和12年生まれのお袋は歩いて 姉貴は千葉から 兄貴は群馬から 全員そろうのは何年ぶり?おやじが死んで十数年、初めてじゃないかしら

 

俺は姉貴に

ーーさすがにここじゃ4人でお昼たべる場所がないからさ みんな集まったらどこかへ行く?

 

ーーいいじゃない。ここで。アタシはばーちゃんと会うときはいつもここよ。ここで、いいじゃない。

 

ここからそう、何かがカタン、カタン、と回りはじめる音がしたんだよ

 

みんな集まるとおふくろは、ぼくらにそれぞれ千円札を何枚か渡し

 

ーーあ゛ー!なんでも好きなもの、かっておいで!

 

 

あとで兄貴からLineがきた これに尽きる

 
ーーー子育ておえた、ゴッド実母、それぞれ子供達がいて、頑張ってる三人、
コロナ含めいろんな事情で四人あつまるのは、久しぶり、自宅もすでにない、
 
気取って木曽路あたりで、会食するレベルの、再会と思えど
 
まるで、部活帰りの高校生みたいに、膝突き合わせ、話す感じ。
 
時間短かけれど
 
エアコンのきいた、広い店内ではなしをするより、
 
ギュッとしたかんじがしてーーー

 

 

 

瞬間、あの日のあの台所

ちっちゃなぼくらとママに戻った奇跡の瞬間でした

 

実家で本当に食べたいもの、のはなしでした。