9月 85才 母の誕生月 俺は遠方 今できることは何か 俺がしたいことは何か 俺は考え抜き、ふたつ、思いついた。
ひとつは、俺はいまのいままでもらってばかりで親に金を渡したことがない。少しでいい。金だ。想いを込めた金を渡したい。
かといっていまさら俺からお小遣いってのもなんかヤダし。酔っぱらいに酔っぱらってたどりついたのは「これは85年分のおとしだまである」「この金は使わないでとっといたり返したりしたら呪われて死ぬ」だったようにおもう いつもどおりいきおいで手紙書いてポストに入れて寝たのであまりおぼえてない
そしてふたつめは、
これだ。やってみたかったんだこれ。
話せば長くなるが、施設で暮らす母には旧知の仲の美容師さんがいて年に数回カットを楽しんでいる
8月に俺はその美容師さんに手紙を書いたんだ。9月は母の誕生月です 次のカットは俺がだします、驚かせたいんです、って。
失礼にならないように何回も清書して。もちろんカット代を同封して。ベロベロになりながらだけど。
9月下旬まで、彼からは音沙汰なし。母の誕生日は9月の29日だ。まぁそんなドラマやマンガみたいにはいかないか、って思ってたら思わぬサプライズが母にではなく、俺にやってきたんだ。ある日、母からラインがきた
ーーーあの〇〇さんからいまメールが来て。息子の〇〇さんから、カットのプレゼントがありましたので、ご都合の良い日をお知らせください。とのこと。あのお年玉を使ってカットするつもりよーーー
俺はびっくりしたんだよ。だってこのラインが来たのは、母の誕生日である9月29日その当日だったんだから。俺、母親の誕生日が29日ってことは手紙にはあえて書かなかったのに、彼は母の誕生日の当日に母に直接連絡を入れてくれたんだ。俺はその心遣いにひどく感動して久しぶりに悲しい以外の涙がでたのまじで。おとなってすげぇなぁ、って。
さらにその翌日の30日、なんと美容師の〇〇さんから俺に手紙が届いた!わりかしへたくそな字でさぁ。でもフワッと心が軽くなる。嬉しくて。さてこのストーリー、どうすすめていこうかしら、どんな返事を書こうかしらってずっと考えてる。
日常ってドラマチックだなぁ、、って話しでした。
1945年の彼へ THE KIDS


