取り返しのつかないこととは。 

久しぶりに会った自分のこどもの苦手なたべものを忘れてしまうこと。

 

去年一時帰国したとき ぼくはいつもみたいに下の子中3の弁当を作った そりゃもう気持ちを込めて たらこのスパゲティ からあげにたっぷりのマヨ 海苔とおかか、梅干しのごはん シャウエッセン 卵焼き プチグラタン でもうっかり忘れていた 彼女がマヨネーズと梅干しが苦手だったってこと。帰ってきたきみのちょっとがっかりした顔。

 

ぼくは一時帰国中ずっと簡単なメモ、日記をつけていた ↓これは最後の日のはなし。

 

ーー最後の晩なのに〇〇(←下の子中3)が塾から帰って寝ていておきてこない 少し寂しい 起こしに行って話してもだめ すごく寂しい 途中で降りてきた 勉強のことでみんなから言われて〇〇(←下の子) ぽろりぽろりと涙 愛おしくてしかたがない この晩〇〇(←上の子大1)が最後の晩なのに自分だけのために風呂をたきお土産のバスボムを一人で使うという問題で紛糾 でも最後にぼくはみんなで昔のビデオを見た 大笑い 小さな〇〇(←下の子)、小さな〇〇(←上の子) 今日は泣いたり笑ったりすごく楽しかった 夜〇〇(←下の子)プレゼントくれたパパ嬉しい〇〇(←下の子) ありがとうーー 

 

幸せとは。 小さな夢をかなえてくれること。

男はけっこう期待する。誕生日、バレンタインデー、父の日、クリスマス、、でも現実にはなんのドラマも起こることなんてない。例えば数年ぶりの数日の一時帰国、最後の晩。何か手紙とか、プレゼントとかないかしら、、って心のどこかでぼくは欲しがってた。でもやっぱり何もなく、この日も、心のどこかで苦笑いをしていた。男なんてたいがい50さい超えてもそんな調子である。けどそんなこの日の夜、下の子がふいにパパ プレゼント、ってぼくに小さな紙袋を手渡したんだ 開けないで翌日再渡米した その晩ぼくは彼女のくれた袋を開けた 少しのお菓子と手書きのメッセージがはいっていた ぼくは声をあげて泣いた

 

2022年3月1日は彼女の高校受験の結果発表日。

お受験とは無縁の我が家 彼女は直前模試で30点台を叩きだす強心臓(=阿呆)で家族を震撼させるも結果は希望する高校に合格。ぼくは彼女に電話をした よかったね おめでとう

 

幸せとは。

ーーぱぱ、これから中学に合格の報告に行くんだけど 一緒にいく?

ーーえ、いいよ!

家から中学校まで歩いて 34分49秒 ぼくは彼女と歩きながら他愛のないはなしをした 

スマホに映る 玄関 あの道 あの店 この店 駅をこえて トンネル抜けて。

君の手のひらのなかの34分49秒。

 

 

幸せとは
星が降る夜と まぶしい朝が
繰り返すような ものじゃなく
大切な人に 降りかかった
雨に傘を させることだ

 

ぼくはきみが大好き。きみの大切なひとがあらわれるまでは、ぼくはずっとずっとずっといままでもこれからもずっとずっときみに傘をさすよ

JKのきっぷ、おめでとう