東日本大震災から10年~つまり原発事故からも10年を過ぎたのだが、今でも様々なところで様々な形でその影響が現れている。
久しぶりにお会いした方~原発事故でかなりの放射線量を受けたところに数カ月とどまっていた方。以前お会いした時には首の周りがえりまきをしたような太さで、甲状腺に被害を受けていることが明らかな状態だったが、改善された様子はない。彼は、近づいて来た私に両手の甲を見せた。どす黒くなった左手には古い傷跡、右手にはごく最近出来たであろう傷が赤い内部を生々しく見せていた~被爆だという。身体もタオルでゴシゴシすると剥けてしまうと語る。その時あいすまんじゅうは、頭から皮膚がとろけだしていた『はだしのゲン』を思い出した。多分この方は原発事故の真の証人だろうか。ジャーナリストが彼を取材したら相当の内容の本が書けそうな気がした。ひょうひょうと語る彼は、国(枝野たち)や東電がウソをついていたことに怒りを持ち、今でも彼がいた村の放射線量測定ポストの値も操作され、実際は2倍以上の値なのだと憤っていた。彼は数カ月をあの地で過ごした。私は1年をあの地のわずか二十キロ離れたところで過ごした。幸いに私は軽い症状で終われたが、ほんの少しの差がこれほど大きな差になって現れていることに、(彼には申し訳ないが)少なからず感謝している。/【画像は本人の承諾を得て撮影している】